問 人工透析を受けている患者さんにしても、お医者さんの方でも費用は国が全部見てくれるというなら、何と言うかモラルハザードが働かないでしょうね。
薬の場合にも、日本では病院間でカルテの融通ができていないために、同じ薬を何度も処方されるケースもあるじゃないですか。全くのムダどころか、そんなに大量に薬を飲まされたらかえって病気が悪化してしまう危険性がある。
お医者さんもそれはおかしいと思いながら、健康保険が利くから出してもいいだろうと・・・。またよく言われているのが生活保護を受けている人への投薬ですよね。彼らは診察料を払わなくていいから(国が代わりに払ってくれる)、医者の方でもどんどん薬を出してしまう。
重複する投薬と健診だけでムダ遣い2兆円
答 挙句に、もらった薬は飲まずに捨ててしまう。患者さんの方でも分かっているんです。医者の顔色をうかがって、出していただいた薬は有難く頂戴(買う)するけれども、重複してもらっているから飲まない。
医者にいらないと言ったら悪いと思っているからもらうだけはもらう。でも、これはおかしな話ですよ。本当に。薬を処方されて捨てている人は非常に多い。厚生労働省の試算では数千億円にも達するそうです。
問 投薬だけでなく、複数の病院に行って同じ検査を何度もされる重複検査にかかる費用も加えると、これは総務省の試算ですが、約2兆円にも達するんだそうです(「健康データの一元管理で2兆円のコスト削減」)。年間で。壮大なムダが行われているわけですよね。
答 メタボ健診が2008年に始まってから、本来は医療費を削減するのが目的なのに逆に増えてしまっている。ずっと増え続けているのは異常ですよ。しかも糖尿病患者が減っているわけではない。
こういう悪い政策は一刻も早くやめるべきです。やめて任意健診にすべきでしょう。受けたい人だけが受けるようにすればいい。そうしたら、健診費だけでなく、投薬費も大幅に下がるはずです。
問 なぜこんな壮大なムダが大手を振ってまかり通っているのでしょう。
答 おそらく、医者が儲かるし製薬会社も儲かる。そうすれば経済が成長して税収が増えるという理屈なんでしょうね。