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【スクープ最前線】北朝鮮、仰天メッセージの裏 首相をほめ殺して資金援助画策

ニュースカテゴリ:政治・社会

【スクープ最前線】北朝鮮、仰天メッセージの裏 首相をほめ殺して資金援助画策

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金正恩第1書記(ロイター)  朝鮮側から、日本政府筋に驚くべきメッセージが伝わってきている。「金正恩第1書記は、安倍晋三首相を評価している」「核問題も安倍首相と話し合いたい」というものだ。安倍首相は、拉致問題解決のために北朝鮮への制裁姿勢を崩していないが、金第1書記の思惑は何なのか。ジャーナリストの加賀孝英が衝撃情報を追った。

 北米ワシントンで6日、北朝鮮の核開発に関する、日米韓局長級協議が開かれた。日本から外務省の伊原純一アジア太平洋州局長、米国からデービス北朝鮮特別代表、韓国から韓国外務省の趙太庸(チョ・テヨン)平和交渉本部長が参加した。外務省幹部がいう。

 「現状は絶望的だ。朝鮮戦争でともに戦い、経済支援などで北朝鮮経済の命運を握る中国でさえサジを投げている。中国が北朝鮮に非核化を迫ったとき、金第1書記は『核保有は父、金正日総書記の遺訓だ』と言って無視し、中国に恥をかかせた。中国は今年、北朝鮮に毎年続けてきた『故金日成国家主席の生誕日(4月15日)の特別配給』の食糧支援を、一方的に打ち切った」

 金総書記は2011年12月に亡くなる直前、「中国は今後、最も警戒すべき国。中国に利用されないよう肝に銘じろ」との遺言も残したという。中国と北朝鮮の関係が激変、悪化しているのは間違いない。

 こうした中、驚くべき情報が飛び込んできた。以下、複数の外事警察幹部の話だ。

 「モンゴルのエルベグドルジ大統領が10月28日から31日まで訪朝し、金永南最高人民会議常任委員長など、北朝鮮幹部らと会談した。安倍首相は同大統領を都内の私邸に招くなど、日本とモンゴルとの関係強化を図るとともに、拉致問題への協力も要請していた」

 「これに重なるように、北朝鮮の政府関係筋から注目すべき情報が寄せられた。『金第1書記は安倍首相を評価している。核の問題は、オバマ米大統領ではなく、安倍首相と話し合いたいと言っている』という」

 本当なのか? ご存じの通り、安倍首相は拉致問題解決に政治生命をかけ、北朝鮮に厳しい経済制裁を行い、世界各国にも協力を呼びかけている。金第1書記から見れば「憎き天敵」だろう。

 だが、旧知の公安関係者がこういう。

 「われわれは職務上、日本周辺のあらゆる電波を傍受している。昨年末の安倍政権誕生後、北朝鮮はあらゆる場で、安倍首相を名指しして『軍国主義極右狂信者』などと、執拗(しつよう)に罵倒していた」

 「ところが、飯島勲内閣府参与が今年5月に訪朝して、北朝鮮の姿勢は劇的に変わった。安倍首相を批判しなくなった。2020年東京五輪が決まったIOC総会でも東京に投票し、アフリカの3票まで東京支持でまとめた。明らかにメッセージを送ってきている」

 そして、こう続ける。

 「金第1書記は就任2年で、朝鮮労働党や政府、朝鮮人民軍の幹部218人のうち、44%にあたる97人を次々と入れ替えた。30人近い軍幹部を見せしめに銃殺し、軍の支配強化を図ってきた。だが、困窮極まる経済を立て直さなければ、政権崩壊は避けられない。巨額の資金援助ができる国はどこか。米国でも、経済破綻寸前の韓国でもない。日本しかない」

 実に興味深い。北朝鮮が日本に泣きついてきている。安倍首相の断固たる外交姿勢が効力を発したかたちだ。

 朝鮮半島の非核化と拉致問題の全面解決。これは日本のみならず世界が切望している。果たして、北朝鮮が同意するかどうか…。相手は平然と嘘をつく虚々実々の北朝鮮だ。安倍首相、絶対に油断してはならない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍。一昨年11月、月刊「文藝春秋」で「尾崎豊の遺書・全文公開」を発表し、大きな話題となった。

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