谷、８年ぶりオリックス復帰！４１歳現役続行！！

０６年オリックス時代の谷。加入すれば８年ぶりの古巣復帰となる

　オリックスが、巨人と来季の契約を結ばないことが決まった谷佳知外野手（４０）の獲得調査に乗り出すことが９日、分かった。補強ポイントに右打者を挙げるオリックスは、勝負強い打撃が健在と判断。今後、状態面や古巣復帰の意思などの調査に入り、問題なければ獲得に動く。

　勝負強いベテランが、森脇オリックスの救世主になるかもしれない。巨人を退団する谷に、オリックス関係者は「右打者は、ウチの補強ポイントの一つ。４０歳という年齢に負けない打撃を持っている。元々、オリックスから始まった選手ですし、功労者。巨人での経験は若い選手たちの手本にもなる」と強い興味を示した。

　谷は１年目の９７年から外野のレギュラーを奪い、イチロー、田口と鉄壁の外野陣を形成。０２年に盗塁王、０３年に最多安打のタイトルを獲得するなど、広い守備範囲と広角に打てる勝負強い打撃でチームをけん引した。０７年から巨人でプレー。７年間で５度のリーグ制覇を経験するなど活躍。来季４１歳という年齢がネックになるが、将来の幹部候補生としての資質も加味し、獲得調査に入る方針を固めた。

　谷本人は現役続行への強い思いを抱いている。残り７９本に迫った通算２０００安打が理由の一つにあるが、スタメン出場へのこだわりは捨て、一から出直す覚悟。日本シリーズ終了翌日の４日、巨人が契約を結ばないと発表した際も「まだまだ走れる。打つことも守ることにも自信がある。代打からでいい。自分がまだやれるということを証明したい」と話していた。当初は１０日の１２球団合同トライアウト（静岡・草薙）を視野に入れていたが、参加しない見通しだ。

　オリックスは今季、ともにリーグワーストのチーム打率２割５分６厘、５１３得点で５年連続Ｂクラス（５位）に沈んだ。糸井、李大浩、バルディリスのクリーンアップは強力だが、勝負どころであと１本が出ず、僅差のゲームを落としてきた。その欠けたピースを埋めるのが、巧みなバットコントロールに長打力も兼ね備えた谷だ。

　球団では今後、合同トライアウトに参加する選手も含めた戦力チェックを行う方針。経験豊富な来季１８年目のバットマンが加入すれば、Ａクラス入りへ大きく前進しそうだ。

　◆谷　佳知（たに・よしとも）１９７３年２月９日、大阪府生まれ。４０歳。香川・尽誠学園高から、大商大、三菱自動車岡崎を経て、９６年ドラフト２位でオリックス入団。０１年にはプロ野球記録となるシーズン５２二塁打。０２年には盗塁王、０３年は最多安打のタイトルなどを獲得。０６年１１月にトレードで巨人に入団。１７３センチ、７７キロ。右投右打。家族はシドニー、アテネ両五輪柔道女子４８キロ級金メダリストで参院議員の亮子夫人と２男。