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「国民を使い捨て」 中国残留の元日本兵が戦後の戦死事実を語る/川崎

2013年11月10日

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 終戦後も約4年にわたり中国での戦闘を強いられた元山西省残留日本兵・稲葉績(いさお)さん(89)=さいたま市=の証言集会が9日、川崎市幸区で開かれた。残留命令を受けて山西省にとどまり、八路軍(共産党軍)との激闘で多くの日本兵が「戦後」とされる時期に戦死した事実を詳細に語った。

 「中国山西省日本軍残留問題」として一般的に知られる。終戦後も2600人が現地にとどまって国民党軍とともに共産党軍と戦い、4年間で約560人が戦死した。ポツダム宣言で定めた武装解除に反する行為となるため、日本政府はいまでも軍命による残留を認めず、兵士らが自らの意志で中国の内戦に加わったとしている。

 稲葉さんは1943年に学徒動員で陸軍に入隊。中国戦線に送られ山西省で終戦を迎えた。

 証言集会では、46年2月上官に呼ばれた際のやりとりを述懐。「帰国の話で呼ばれたと思ったが、上官からは『作戦命令』が出された。3分の1の兵力を残さないといけない、おまえは一番若い将校だから残れと言われた」と振り返った。

 4年間の共産党軍との戦闘後は太原戦犯管理所などに収容された。56年にようやく帰国を果たすが、「上官たちは『残留命令は出していない』と国会でうその証言をした。残留兵は逃亡兵扱いされ、軍人恩給も受けられず、中国から来た『赤の使者』とまで言われた」と当時の様子を説明した。

 残留兵らは裁判などでも国と争ったが敗訴。集会で稲葉さんは「ひとたび戦争になると、軍隊や政府は最後には国民を使い捨てにする。皆さん、このことを忘れないでほしい」と聴衆に呼び掛けた。

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