大相撲の春日山親方(36=元幕内浜錦)が先代春日山親方の岩永祥紀氏(47=元幕内春日富士)を相手に年寄名跡の証書の返還を求め民事訴訟を起こすことになった。年寄名跡とは日本相撲協会の親方になるために必要な資格の一種。11日にも横浜地裁に提訴する。春日山親方は8日、都内で会見し「話し合いに応じていただけず、こういう形になった。苦渋の選択です」と話した。
春日山親方は昨年2月に現役を引退し、先代の岩永氏から「春日山」の名跡を譲り受けて部屋を継承した。ところが、岩永氏は名跡の譲渡後も証書を持ち続け、春日山親方が証書を手にできたのは相撲協会に名義変更の手続きをした昨年9月26日の1日だけ。その日のうちに岩永氏は「保管する場所がないだろうから、自分の金庫で預かっておく」などと言って、再び証書を“没収”したという。
その後も春日山親方は証書の返還を求めたが、岩永氏は拒否。すでに証書は借金の担保として第三者の手に渡っている可能性もあるという。春日山親方には、何としてでも証書を取り戻さなければならない理由がある。
相撲協会は来年1月の新公益法人への移行に伴い、年寄名跡を一括管理する方針。12月20日までに親方全員に年寄名跡の証書を協会に提出することを義務づけている。証書がなければ、新公益法人で親方の資格を失う可能性があるのだ。
一方、岩永氏は自らが所有する土地建物の家賃を滞納しているとして10月に春日山親方を提訴。これに対して、春日山親方側は「当初の契約だった月60万円は支払っている。今年の1月から134万円に値上がりしたが、60万円が妥当」と主張。他にも、岩永氏からは昨年9月ごろから先代師匠としての功労金として総額で最大3億8000万円を要求されているという。
岩永氏は相撲協会の女性職員との不倫疑惑や経理の不正計上疑惑の責任を取る形で、昨年9月に協会を退職。そのわずか1年後に、今度はドロ沼の“訴訟合戦”の当事者として姿を現すとは…。
一宮競輪開場63周年記念(GⅢ・毛織王冠争奪戦)は29日、決勝が行われ、関東3番手にいた長塚智広が、猛然と迫ってきた浅井康太に伸び勝って優勝を手にした。