5度目の防衛となると名王者だ。かつては日本ボクシングコミッション(JBC)が業績をたたえて記念品を贈っていた。その慣例も今はうやむやになっているが、山中はスピード、パワー、テクニックと三拍子そろって王者の中でも際立つ。亀田兄弟との王座統一戦もあるが、山中は本場・米国を意識する。内容がいつも問われる戦いで「まさか」はない。キッチリとKOで安定王者をアピールするだろう。
ただ、これまで山中の世界戦の相手はすべてサウスポー。ゲバラが久しぶりの右オーソドックスでタイプもまったく違う。知的なボクシングが得意といい、脚を生かした出入りのあるボクシングがイメージにある。ただ、前日計量で胸囲で背中まで盛り上がった胸の厚さから下馬評を覆してインファイトも隠しているとしたら厄介だ。
山中は既に4度防衛。戦うたびに左を進化させているが、際立つのはバランスでスピードやフットワークに素早く対応できること。ゲバラの出方次第で中盤までのKOも十分ある。期待したい。 (格闘技評論家)
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