ます野菜煮缶
自衛隊缶飯の中でも、特別手間が掛かっているのがこのます野菜煮缶でしょう。 缶を開けると、形よく切られたニンジンとタケノコ、綺麗に巻かれた昆布、煮崩れしないように丁寧に煮られたマスが、とても綺麗に隙間なく詰め込まれています。 手間が掛かっているのはそれだけではなく、調理にも相当気を使っているらしく、 たとえば他のオカズ系の多くはどれも同じような甘辛い大和煮風な味付けに対し、これはダシと醤油で上手に煮てあるので素材の味が生き、それでいて川魚の生臭味や缶の金属臭などはまったくしません。
1缶100g入りで、煮汁はほとんどありません。
マスはサケ科サケ属のカラフトマスか、同等以上の魚を使い、内臓、頭、ひれなどを取り除き、皮付きのまま胴切にして塩水で煮てあります。タケノコは薄切り、ニンジンはさいの目、昆布は丸めて、塩煮したマスと一緒に調味液で煮て、しっかり味を染み込ませてから缶に形を崩さないように詰め込んで密封します。 原料比率はマス50% タケノコ30% ニンジン10% 昆布10%。
マスは程よく味が染みて、身は締まっているが柔らかく、 胴切りにされているので中骨が残ったままですが、骨は箸先で簡単につぶれるほどで、味も染みているのでそのままおいしく食べられます。 もちろん付け合わされている野菜類もしっかり味が染みて、素材の味とあいまって美味しく、素材独特の風味食感もしっかり残っています。
製造元は気仙沼ほていK.K.