他人の高級自転車をネットオークションに出品し、落札後にその自転車を盗んで、転売した事件で窃盗罪に問われた元お笑い芸人の兼島ダンシングこと兼島信茂被告(39)の公判が6日、東京地裁で行われた。検察は懲役2年6月、別件で懲役6月の計3年の実刑を求刑し、結審した。兼島被告はお寒い法廷ショーをやってのけた。
事件は今年5、6月に兼島被告が都内で高級自転車計5台(約50万円相当)を盗んだというもの。目をつけた高級自転車を事前に撮影だけして、オークションに出品。落札された自転車だけを盗み出し、購入者に引き渡していた。
兼島被告は「値段がつくのが分かるのと(先に盗むと)保管場所に困らなかった」と“予約窃盗”の巧妙手口を淡々と述べた。
兼島被告は今年4月に自転車窃盗で逮捕・起訴されていた。5月の犯行は保釈された1か月後の公判最中に起こし、6月の犯行は執行猶予付きの判決が出て、わずか2週間後だった。裁判長や検察官から“前の公判で反省していると言っていたのはウソだったのか?”と問いただされ「無施錠の自転車が同じ場所に置いてあると犯行したくなった」「(再犯に及んだのは)自分でもよく分からない」と弁明どころか心証を悪くするばかり。検察側からは「被告は反省していない。再犯するのは火を見るより明らか」と断罪された。
シドロモドロな兼島被告だったが、最終の意見陳述では“豹変”した。
「たくさんの方にご迷惑をかけた」と謝罪の弁を述べた後、「自転車を盗むのでなく、芸人なら“芸”を盗んでおけば良かった。それならば自分の肥やしになっていた。被害者も出ることはなかった。もう犯罪はしたくないです」とよもやのギャグで締めたのだ。この“最後っ屁”に裁判長をはじめ、法廷内はあっけに取られるばかり。
「(最終弁論では)自分の思いを話してくださいと伝え、事前に何を話すかは聞いていなかった。(ギャグを)先に聞いていれば言わせなかった」(弁護人)。判決は今月26日に言い渡される。
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