珍味(ちんみ)とは、地域古来の珍しい食材、あるいは昔は一般的であったが、食文化の変化により現在では口にされなくなっていったものを指す。
その伝からいうと、山椒魚(サンショウウオ)料理などは、最たるものであろう。
山椒魚(サンショウウオ)の味は、魯山人いわく、
「山椒魚はすっぽんのアクを抜いたようなすっきりした上品な味である」
とある。
魯山人が「サンショウウオを、最初に手に入れたのは2尺ぐらいのものであった。」
というから、オオサンショウウオのことであろう。
食材としてではないが、たしか、横溝正史の「金田一幸助シリーズ」の小説の中に、山椒魚を眼病治療薬として飼っていたというのがあった。
魯山人も、出雲の人から山椒魚を送られたときに、山口県あたりでは、始終食っており山椒魚料理が珍しいものではないことを聞いている。
料理といっても、土地の人は、山で見かけると、その場で焼いて食うのだそうだ。
しかし、今では絶対に食べることのできない料理、というより食ってはいけないものである。
なにせ、山椒魚は特別天然記念物である。
特別天然記念物には、オオサンショウウオの他、アマミノクロウサギ、ライチョウ、オナガドリ、ニホンカモシカ 、トキ 、タンチョウ 、コウノトリ、アホウドリ 、カワウソ 、メグロ 、ノグチゲラ 、イリオモテヤマネコ 、カンムリワシ 、オオタカ などがいる。
しかし、指定希少野生動植物の無許可捕獲に対する罰則は、国ではなく、各地方自治体の裁量に任せられているようだ。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
横溝正史の小説の舞台となることの多い、岡山県では、
岡山県希少野生動植物保護条例の制定についてによると、
○指定希少野生動植物の無許可捕獲等は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
となっていて、他の地方自治体においても、この罰則を掲げている所が多い。
話がそれてしまったが、山椒魚(サンショウウオ)料理の下ごしらえであるが、
(以下引文 魯山人の料理王国)
出典 ウィキペディア(Wikipedia)
もともとの姿かたちが、グロテスクなものである。
それが、断末魔の叫びを上げるというのだから、魯山人も始めて山椒魚を料理するときは、さすがに、ためらいがあったようだ。
山椒魚の名前の由来である。
また、魯山人お気に入りの寿司屋久兵衛の主人に懇願され、山椒魚を裁かせたときには、(この久兵衛という人を魯山人は、「気骨稜々意気軒昂たる気構えは、今様一心太助といってよい。」とまで持ち上げている。)
こんな人ですらこうであるから、魯山人が、山椒魚の前で、ひるんだのもムベなるかな、
なのかもしれない。
この山椒魚、スッポンのようにぶつ切りにし煮てみたが、煮れども煮れども一向に柔らかくならない。2、3時間たっても硬いまま。味は最良だったようだが、硬さは取れないものだったようだ。
翌日、食べてみると、前の日にあれほど長いこと煮ても硬かったものが、皮などトロトロになっていて、肉も非常に柔らかくなっていて、汁も遥かに美味くなっていた。一旦冷めると、大きく変化するようなもののようだ。
その後、何度か魯山人は山椒魚料理の会(?)を開いているが、やはり肉は硬いままであった。
普通に考えれば、前日から準備して調理していればいいのにと思うのだが・・。
招待して食事をさせるとなると、食材の姿を見せてから料理を始めるというのが、魯山人の考え方だったのだろう。
一番、うまいところで食いたいとは思うんだが・・・な。
料理法であるが、
おそらく、というより絶対に食えることのない珍味の調理法でした。
蛇足:露座人が出向中(銀行に缶詰状態)のため、外部への連絡もできず、朝から夜遅くまで働かされ時間がないと泣き言をいってきた。
早く会社に戻してもらいたい、とも(そんなことは、会社へ言え。)
そんなわけで、ピンチヒッター、KOKI