堀江さんの新刊「ゼロ」、とても良い本です。堀江さんの著書に触れたことがない方は、この機会にぜひ。
自分の手でルールを作れ
色々面白いことばが収録されているのですが、特に興味深いのが「没頭」に関する話。堀江さんは仕事をはじめ、さまざまなものに「没頭」してきた方です。言い換えれば、さまざまなものを「好き」になることができる方です。
仕事でも勉強でも、あるいは趣味の分野でも、人が物事を好きになっていくプロセスはいつも同じだ。人はなにかに「没頭」することができたとき、その対象を好きになることができる。
とはいえ、仕事に熱中できない、仕事が好きになれない、という人は多いと思います。「没頭することができるようになること」って、そう簡単じゃないんですよね。堀江さんはそんな「没頭」に関して、とても貴重な示唆を与えてくれています。
どうすれば没頭することができるのか?僕の経験から言えるのは、「自分の手でルールをつくること」である。
これ、非常に面白くないですか。違うことばでいえば、「ゲーム化する」といってもいいと思います。いわゆるゲーミフィケーションですね。
ゲームというのは、常にルールがあります。「ルールがないゲーム」ですらも、「ルールがない」というルールがあるのです。ゲームというのは常に、何らかのルールという制約のなかで、パフォーマンスを競う遊びです。
ということは、どんなことでも、ルールを導入すればゲームにすることができるのです。ゲームにすれば、「没頭」しやすくなります。
ぼくは大学受験時代、マイルールを作って勉強をしていました。
世界史の勉強をしていたときは「できるだけ多くの時間を割くこと」「暗記効率を改善しつづけること」「できるだけ迅速に、高い得点を獲得すること」などをルールとして掲げていました。このルールに従って行動すると、つまらなくなりがちな暗記科目の勉強が、それだけでゲームになります。
毎日自分のスコア、回答速度が上がっていくのは、最高の快感です。模試や試験の際にはあえて前の方に座り、誰よりも早く終わらせ、残りの試験時間は寝てすごしました。後ろに座る人々に「え!?あいつ、もう終わったのか!?」と思わせたかったのです。われながらなんて嫌らしい…。
大学時代には、百貨店のレジ打ちバイトをしていました。マニュアルに沿って仕事をする単純作業でしたが、ぼくは勝手にマイルールをつくり「できるだけ早く会計処理を終わらせる」「例外処理にすべて対応できるようにする」「もっとも効率よくレジ締めを行う」などなど、レベルアップを常に図っていました。お陰さまで、ぼくはあらゆるレジ担当のなかでもトップクラスの処理能力を誇り、社員の方から頼りにされていました。
どうしたって楽しめないことはこの世にあるとは思いますが、少し考え方を変えてみて「マイルール」を作り、その制約のなかでパフォーマンスを最大化させようと試行錯誤をつづけていくと、いつのまにかその作業が楽しくなることは、往々にしてあると思っています。それは「没頭」そのものです。
というわけで、仕事がつまらないと嘆いている方は、ぜひ制約をつくり、その仕事をゲーム化してみてください。ブログひとつ書くのでも「1本15分で書き上げる」というルールを作ると、俄然楽しくなったりします。「マイルール」の力をなめてはいけませんよ。
その他、示唆に富むことばがてんこ盛りです。名言まとめ形式の読書メモをアップしているので、こちらも合わせてぜひ。