同時に、コルチゾールは糖質や脂質代謝、免疫機能、血圧の調整など、様々な働きをもつ。その分泌が乱れれば、血糖値の調整も乱れ始める。これにより、痩せにくく、集中力も乱れやすくなるという、二重のパンチがあるのだ。しかも、だ。コルチゾールなどを分泌する副腎皮質にはビタミンCを蓄える働きがあり、ビタミンCが足りないと分泌されるホルモンバランスも乱れるため、ここでもまたストレス太りにつながってしまう。無理に我慢するより、食べ方に気を付けた方が、心にも体にもよっぽどいい。
甘いものを食べるときに気を付けるべき食べ方として、「血糖値の上昇を抑えるために10分前に果糖を含まない野菜ジュースを飲みましょう」という提案がある。野菜を先に食べる「食べ順ダイエット」と近い効果があるかもしれないが、不溶性食物繊維が減ってしまっているのと、野菜そのままをいただくのとはやはり違う。飲むならば、せめて、キンキンに冷えたものではなく、常温にして飲もう。
寒い季節の過度な甘いものは
血液ドロドロ、老化への第一歩
また、寒い季節には、少なくともふたつのリスクがある。ひとつは、体温が下がって代謝が落ちやすいということ。そして、前述した、食欲が増しやすいということ。食べる量が増えた上に代謝が落ちたのでは、ダイエットを考える人にはきびしい現実。だから、寒い時期に甘いものをいただくなら、体が温まる料理をちゃんと食べたあと、もしくは、温かい飲み物と一緒に、が安全だ。
ちなみに、筋肉量が多く、代謝が良い男性の場合、「サウナに入れば1、2㎏すぐ落ちるし」と日常的に甘いものに手を出す方が少なくない。もちろん、サウナでたくさん汗を流せばすっきりするし、体重計の目盛も目に見えて減るから、「痩せた」と思うかもしれない。でも、運動時にかく汗とサウナでかく汗は、発汗に至る過程が異なる。
運動による汗が、体を動かすことによって、体内で発生した熱を外に逃すためのものであるのに対して、サウナでかく汗は、外からの熱をうけて上昇した体温を下げるためのものだ。つまり、運動による汗はエネルギー消費した証となるが、サウナでの汗は生体反応のひとつで、エネルギー消費したことにはならない。