オトコを上げる食事塾 笠井奈津子
【第36回】 2013年10月28日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

朝食代わりのケーキほど危険なものはない!?
太らずに甘いものを食べるためのルール

 同時に、コルチゾールは糖質や脂質代謝、免疫機能、血圧の調整など、様々な働きをもつ。その分泌が乱れれば、血糖値の調整も乱れ始める。これにより、痩せにくく、集中力も乱れやすくなるという、二重のパンチがあるのだ。しかも、だ。コルチゾールなどを分泌する副腎皮質にはビタミンCを蓄える働きがあり、ビタミンCが足りないと分泌されるホルモンバランスも乱れるため、ここでもまたストレス太りにつながってしまう。無理に我慢するより、食べ方に気を付けた方が、心にも体にもよっぽどいい。

 甘いものを食べるときに気を付けるべき食べ方として、「血糖値の上昇を抑えるために10分前に果糖を含まない野菜ジュースを飲みましょう」という提案がある。野菜を先に食べる「食べ順ダイエット」と近い効果があるかもしれないが、不溶性食物繊維が減ってしまっているのと、野菜そのままをいただくのとはやはり違う。飲むならば、せめて、キンキンに冷えたものではなく、常温にして飲もう。

寒い季節の過度な甘いものは
血液ドロドロ、老化への第一歩

 また、寒い季節には、少なくともふたつのリスクがある。ひとつは、体温が下がって代謝が落ちやすいということ。そして、前述した、食欲が増しやすいということ。食べる量が増えた上に代謝が落ちたのでは、ダイエットを考える人にはきびしい現実。だから、寒い時期に甘いものをいただくなら、体が温まる料理をちゃんと食べたあと、もしくは、温かい飲み物と一緒に、が安全だ。

 ちなみに、筋肉量が多く、代謝が良い男性の場合、「サウナに入れば1、2㎏すぐ落ちるし」と日常的に甘いものに手を出す方が少なくない。もちろん、サウナでたくさん汗を流せばすっきりするし、体重計の目盛も目に見えて減るから、「痩せた」と思うかもしれない。でも、運動時にかく汗とサウナでかく汗は、発汗に至る過程が異なる。

 運動による汗が、体を動かすことによって、体内で発生した熱を外に逃すためのものであるのに対して、サウナでかく汗は、外からの熱をうけて上昇した体温を下げるためのものだ。つまり、運動による汗はエネルギー消費した証となるが、サウナでの汗は生体反応のひとつで、エネルギー消費したことにはならない。

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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。最新の情報などはこちらへ。
著書には『甘い物は脳に悪い』『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』がある。


オトコを上げる食事塾 笠井奈津子

男も35歳を過ぎれば、体のあらゆるところにガタがくるもの。昨日の酒がなかなか抜けない、太りやすくなった、集中力が続かない、髪の毛がよく抜ける…。そんな症状を食事で改善できるとしたら?経営者や管理職セミナー、企業研修で多くの男性ビジネスパーソンの食事を指導している栄養士・食事カウンセラーの笠井奈津子氏がデキる&モテるビジネスパーソンになるための食事のルールをご紹介。健康的で若々しい体は食事からつくっていきましょう。

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