オトコを上げる食事塾 笠井奈津子
【第36回】 2013年10月28日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

朝食代わりのケーキほど危険なものはない!?
太らずに甘いものを食べるためのルール

 ただ、天高く馬肥ゆる秋。何を食べてもおいしく感じる気候の中、これから冬に向けて、体重が気になる人にとってはリスクが徐々に高まってきていることを忘れてはいけない。気温が下がり、体温が下がるようになると、体がなんとか体温を上げようと無意識に食欲が増すようになるのだ。冷たい雨の日にやたら甘いものが恋しくなったり、寒い時期の方が口さみしくなるようだったら、もう一枚はおって冷えを遠ざけるのも手かもしれない。実際、この時期になると、移動が多い日に限って甘いものをちょこちょこつまむ人が多くなるものだ。

 また、食欲は外気温だけではなく、食べ物の温度によっても左右される。冷たい飲み物は胃を刺激し、食欲が増進される恐れもあるし、この時期、体を冷やしてしまうのも気になる。一方のあたたかい飲み物は、胃に満足感を与えて食欲を落ち着かせてもくれる。だから、甘いものの食べ過ぎ防止のためには、必ず、温かいノンカロリーの飲み物を添えることだ。もちろん、普段の食事の際、夏の間は遠ざけていた汁物もできるだけとるようにしてほしい。

「ダイエットのため…」の我慢は禁物
ストレス太りを生む悪い習慣

 でも、気温のせいでもなんでもなく、何か甘いものを食べないとテンション上がらない!というときも少なからずあるものだ。デスクでおにぎりレベルの軽食がはばかられるような職場環境であれば、午後の長い時間に口にできるのは、ちょっとしたおやつくらいかもしれない。そんなときに、「でも、ダイエットのために食べないんだ」と無理に我慢するのは、仕事のやる気にもだが、ダイエット的にもNGだったりする。

 食べることを我慢して空腹時間が長くなれば、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌される。これは、筋肉を分解してしまう働きのあるホルモンだ。つまり、脂肪が燃えにくい身体になるということ。せっかく我慢したのに……という状態になってしまう。コルチゾールはストレスホルモンともいわれるが、よくいう「ストレス太り」は気のせいだけではないのだ。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。最新の情報などはこちらへ。
著書には『甘い物は脳に悪い』『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』がある。


オトコを上げる食事塾 笠井奈津子

男も35歳を過ぎれば、体のあらゆるところにガタがくるもの。昨日の酒がなかなか抜けない、太りやすくなった、集中力が続かない、髪の毛がよく抜ける…。そんな症状を食事で改善できるとしたら?経営者や管理職セミナー、企業研修で多くの男性ビジネスパーソンの食事を指導している栄養士・食事カウンセラーの笠井奈津子氏がデキる&モテるビジネスパーソンになるための食事のルールをご紹介。健康的で若々しい体は食事からつくっていきましょう。

「オトコを上げる食事塾 笠井奈津子」

⇒バックナンバー一覧