オトコを上げる食事塾 笠井奈津子
【第36回】 2013年10月28日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

朝食代わりのケーキほど危険なものはない!?
太らずに甘いものを食べるためのルール

「夜遅い時間に甘いものを食べてはいけません」

 なんて言われても「そんなの知っとるわい!!」と突っ込みたくなるかもしれない。でも、「夜は我慢したから朝に食べました」というのも実はまずい、ということを認識している人はどれくらいいるだろうか?

 確かに夜遅くに甘いものを食べるのは、決して良いことではない。帰ったら家族がケーキを食べていた。「○○の分もあるよ」と声をかけられても、太ってはいけないからと翌朝に持ち越そうとするのは常識的な判断だろう。あるいは、ケーキを食べる家族と一緒にお茶をするのは目の毒なので、ネットサーフィンや新聞に目を通して家族の会話の輪からも外れてみたりするかもしれない。

 そして、待ちに待った翌朝、やっとの思いで一口。「あれ?家族がいうほどおいしいかな、まぁ、ふつうかな」なんて思ったりするかもしれない。時間の経過と共にスポンジはしっとりさを失い、クリームのなめらかな食感も変わってしまうから、それも仕方がない。

 でも、家族との会話、思い出の共有(これは大げさか?)、ケーキ本来のおいしさを失った上に、それでも「太る」としたら、朝に持ち越すのは、あまりにももったいなさすぎる。

 実は甘いものを食べて太る最悪のパターンこそ、朝食代わりにケーキを食べるケース。朝一番に口にしたものは吸収しやすい。空腹時の甘いものは血糖値を変動させやすく、それが結果的に脂肪の蓄積につながる。このセオリーはいつも頭の隅においておかなければならない。朝昼晩を問わず、野菜やきのこ、海藻など、食物繊維を多く含む食事の後に、というのがベストな選択だ。

 食後に甘いものを食べると余計に血糖値が急上昇してかえってよくない、という見方もあるが、日常的についつい甘いものを食べ過ぎている人は食後に。当たり前のことだが、食欲は空腹時に促進され、満腹時に抑制される。つまり、お腹がある程度満たされている食後に甘いものを口にした方が少量ですむ。もちろんたまにしか食べない、ちょっとで満足、という人は食後といわず、昼食と夕食の間、朝食と昼食の間、などの食間でいいだろう。

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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。最新の情報などはこちらへ。
著書には『甘い物は脳に悪い』『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』がある。


オトコを上げる食事塾 笠井奈津子

男も35歳を過ぎれば、体のあらゆるところにガタがくるもの。昨日の酒がなかなか抜けない、太りやすくなった、集中力が続かない、髪の毛がよく抜ける…。そんな症状を食事で改善できるとしたら?経営者や管理職セミナー、企業研修で多くの男性ビジネスパーソンの食事を指導している栄養士・食事カウンセラーの笠井奈津子氏がデキる&モテるビジネスパーソンになるための食事のルールをご紹介。健康的で若々しい体は食事からつくっていきましょう。

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