<スゴ技Q 知らなかった!お米の新常識>
専門家ゲスト:高野克己さん(東京農業大学教授)
ゲスト:城之内早苗さん(演歌歌手)、つるの剛士さん(タレント)
リポーター:宮下純一さん(タレント・元水泳選手)
<【番組冒頭】大きく変わる!子どものワクチン>
中谷文彦アナウンサー
日々、口にする“お米”。「母親に教わったから」「いつもこうしてるから」・・・など、深く考えずにお米と付き合っていませんか?しかし今は、米の品種や流通過程の技術が違っているため、「昔の常識は今の非常識!」とプロは言います。
視聴者からのアンケートで多かったのが、「どこまでといだらいいのかわからない」という疑問。そこで、専門家と共に調査をし、究極のとぎを見つけ出しました。さらに、意外に間違っている人が多いという炊飯器の正しい使い方や、甘みを増やす炊飯法など、毎日に役立つお米のスゴ技をたっぷり紹介しました。
ご飯の甘みに関わるグルコースを2.4倍増やすことができる炊き方を紹介しました。
といだ後のお米に、微量の酢を加えます。その後、冷蔵庫で16時間置いたあと、ふだん通りに炊きます。これは、お米の中にある酵素の働きが関係しています。お米の成分はほとんどがデンプンですが、酵素がこれをブドウ糖やグルコースなどに変えておいしくしてくれます。酵素は弱酸性の状態でより活発に働くため、炊飯前に酢を加えることで、甘み成分を増やすことができるのです。
【甘みアップの炊き方】
・米3合に対し酢1ミリリットル、米4合に対し酢1.5ミリリットル加える。
・冷蔵庫で16時間置いてから炊く。
※分量を間違えると炊飯器に悪影響を及ぼす可能性もあり得るので、きちんと量を守って利用してください。
・香西みどりさん お茶の水女子大学 生活科学部食物栄養学科 教授
とぎ方の違いでお米の表面にどんな違いがでるか電子顕微鏡で観察し、最適なとぎ方を探しました。
まずは、手の腹でお米を押し付けてとぐ、昔ながらの方法。顕微鏡で観察すると、お米の細胞の細胞膜が壊れ、中のデンプンが表に出てしまっていました。これは、デンプンが水を吸収し、べちゃべちゃした炊きあがりになる可能性があり、とぎすぎでした。
一方、水を入れて軽くかき回す作業を三回繰り返すだけのとぎ方。米の表面には、ぬかの成分がかなり残っていました。これはぬかのにおいが強すぎ、とぎが足りません。
この2つのとぎ方の中間で、細胞を壊さず、かつぬかを残さずとげていたのが、お米5つ星マイスターで米穀店を営む西島豊造さんでした。
【ポイント!】
・最初に洗う行程は、水に溶け出したぬかを米が吸収しないよう素早く行う。
・とぐ時は、手に力を入れない。米と米の摩擦でぬかを落とす感覚。
・手の小さな人は、30回では足りない可能性も。何度か試して自分に最適な回数を見つけてください。
・東京農業大学 食料資源理化学研究室
・アルファー食品株式会社 辻井良政さん
炊飯器メーカーで20年に渡って炊飯器の開発をしている宇都宮定さんが指摘する、炊飯器の意外と知らない使い方をご紹介しました。
※お手元の炊飯器の取り扱い説明書で確認してください。
・象印マホービン株式会社
戦時中の主婦向けの雑誌に、「びっくり炊き」という玄米の炊き方が紹介されていました。短時間で、白米以上のおいしさに炊けるというこの方法、秋田地方に伝わる炊き方だといいます。今でもびっくり炊きをしているという、秋田の料理研究家に炊き方を教わりました。
【小玉さん流 玄米のびっくり炊き】
・秋田自然食品センター 小玉智子さん
現在国内には、流通しているものだけでも231品種の米があります。それぞれ味に特徴を持った米の品種をブレンドすることで、自分好みの味を作ることができます。老舗の米穀店で、古米を新米同様によみがえらせるブレンドを教わりました。
【ポイント!】
・古米と新米のブレンドは、米の水分量などが違うためおすすめできません。
・おすすめの比率は3:7。混ぜる量が3割以下だと、味の違いがわかりにくいそうです。
香りを足したい時:「ひとめぼれ」(天日干し)
甘みを足したい時:「つや姫」「さがびより」
粘りを足したい時:「ゆめぴりか」「ミルキークィーン」
・株式会社隅田屋商店 片山真一さん
9月1日から、手足にまひがおこる感染症、ポリオ(小児まひ)を予防するワクチンが、生ワクチンから不活化ワクチンに変わりました。導入までの背景と、導入直後の子どもの親たちの戸惑いについてリポートしました。
【生ポリオワクチン】
昭和35年に日本でポリオ(小児まひ)が大流行しました。それに対応するために緊急輸入したポリオワクチンで、ポリオウイルスを弱毒化したものが使われています。経口で2回摂取することで、強い免疫をつけることができます。生きているウイルスを使ったワクチンですので、まれに腸内で変異を起こし、それが脳や脊髄に達することで手足のまひなど、ポリオの症状と同様の副作用を引き起こすことがあります。
【不活化ポリオワクチン】
ポリオウイルスを無毒化したもの、いわば死んだウイルスを使ったものなので、摂取によってまひなどを起こすことはありません。ただ、発熱やアレルギー反応といった副作用が出ることはあります。皮下注射で4回摂取が必要です。日本では、9月1日から不活化ポリオワクチンが承認され、病院に申し込むことで、無料で受けられることになりました。
ワクチンの接種時期・スケジュールに関しては、優先順位や接種間隔を考えて、かかりつけの医師と相談して組むようにしてください。
11月から4種混合ワクチン(ポリオワクチンと3種混合ワクチンを合わせたもの)が導入されますが、移行期の今、4種混合の開始を待たずに、3種混合+ポリオを早めに受けてください。3種混合ワクチンで予防する百日ぜきに乳児がかかると重症化し命に関わることもあるので、生後3か月たったら出来るだけ早く受けるのが望ましいからです。
【どうすればいいの?】
Q.生ポリオを1回受けたが...
→不活化ポリオをあと3回受ける
Q.11月始まる四種混合を待っていい?
→待たずに三種混合と不活化ポリオを受ける
予防接種を負担なくスケジューリングするためのスマートフォン用アプリが、「KNOW★VPD:VPDを知って、子供を守ろう」のホームページより無料でダウンロードできます。
不活化ポリオワクチンのスケジュールなどについては、厚生労働省のホームページで確認できます。