日本のTPP交渉参加が正式に認められ、マレーシアのコンキタバルにおいてTPP交渉会合が開催されました。この地は、シンガポールに創設された山下機関、それに連携したインドネシア独立義勇軍により決起したインドネシア兵と敗戦後も残留した日本軍がアジア解放に向けて進軍した、オランダとの激戦の場所でもあります。この後マレーシアそしてインドネシアは独立を勝ち取っています。この地でのTPP交渉会合初参加は、再び日本がアジアの雄として評価されるきっかけにもつながり、何かイメージとして当時のことと重なります。
TPP交渉に正式参加したことにより、幾つかのことが明らかになりました。一番明確なことは、日本におけるTPP反対派の意見主張に全くの根拠が無かったことです。交渉参加には秘密保持契約が締結され、交渉の内容は一切公表されることは無いことがわかりました。反TTP派の人達は秘密裏に国民不在のところで決定されてしまうと主張していますが、11ヶ国という国同士でだけでも簡単にまとまらない交渉事に沢山の意見が噴出する国民まで入ると混乱するだけであり、最終的なTPP参加は国民の総意により選挙で選出された国会議員による国会の決議で決まることから国民不在ではないとの理論です。同行した経団連関係者や農協関係者にも日本政府交渉団から一切具体的な説明はありませんでした。つまり反対派は何の根拠もないまま勝手な想像だけで、反対だ・反対だと叫んでいたことになります。そして肝心な関税の撤廃に向けてもほとんど何も決まっていないことだけは確認されました。
日本国内では、TPP反対のパブリック・シチズンと連携する内田聖子のNPO法人PARCアジア太平洋資料センターの根拠もない主張に、本物か偽物かの確認もないままの草案とやらに振り回され、一部の自民議員までもが信用してしまい、TPP反対を繰り広げてしまいました。こんなことのないように後に安倍政権の課題として述べますが、周囲に信頼できる経験豊かな戦略の専門家を配置し続けることが大切です。
この団体はもともと市民運動の「べ平連」を出発点としています。朝鮮半島南北の融和などを打ち出し、あの酒井剛の市民の党とも連携しています。アメリカの市民運動家と連携してのTPPつぶし、極左共産主義としては資本主義の発展は許せないのでしょう。ということが表立っての主張でしょうが、その裏には利権確保のためにTPP反対派からの資金が目的ということは明白な事実です。
このTPP反対の内田聖子のNPO法人PARKのバックは財団法人大竹財団です。べ平連の関係から日本消費者連盟とも一体です。大竹そのものは不動産・倉庫業を営んでいますが、NPO・NGOに支援としているがその資金集めは極めて不透明なものがあります。アメリカ総会屋のラルフ・ネーダーの来日資金も提供したと言われています。市民団体・消費者連盟支援の為の左翼財団ということです。
北海道の一部左翼農協、特に上富良野農協中心の政府助成金狙いの反対運動の為の資金提供もあります。細川政権時のガット・ウルグゥアイラウンドの時は、やはり北海道の左翼農協が中心となり反対運動を展開し、全農協で約10兆円にも上る助成金を受けており予算編成をみても明らかなことです。そしてこのラルフ・ネーダーも、アメリカの総会屋・市民活動家として有名であり、アメリカで自動車業界と癒着し莫大な資金提供受けるパブリック・シチズンを運営しています。
極左市民運動家グループにより、その仲間の菅元総理が連携してTPP参加のマッチポンプを出発点として、民主党の野田政権に引き継がれ、自民党とすれば反民主党ということから反対論を展開し、TPPに無知識な保守層までとにかくTPP反対となってしまったのです。そしてその一部が、TPP交渉に参加表明した安倍総理をまるで裏切り者であるかのごとく批判をしている現在があります。
TPPに日本は交渉参加をしたのです。私はずっと交渉参加してみないと何もわからないと主張しています。そして当初は交渉力に経験と人脈の乏しさから民主党政権下でのTPP交渉参加には反対しています。そして安倍自民政権はTPP交渉参加して、結果が出てからTPPに参加するかどうかを決定すると明確に発言しています。安倍総理を批判する人たちは交渉参加すると抜けることは出来ないので参加決定と同じだと根拠無く主張します。しかし京都議定書はじめ国際交渉ごとで最終的に参加しないことはいくらでも例があります。
TPP参加か否か、国論が二分されていますが、TPP参加に反対派の根拠はパブリック・シチズンであり、単なるリークされたと何の根拠もなく一方的にそうだと主張する草案でした。TPPを実質日米の自由貿易協定とか、アメリカが日本の市場を取りに来ているとか、オーストラリアは米には難しいので日本を狙っている等が理由の反対者がいます。TPPは多国間協定でどの国にも同じ協定ですし、現在はシンガポール等4カ国で発効しており、アメリカの思惑は一切関係ないことも今回確認されました。
TPPはご存知の通り自由貿易の拡大です。国はそのために権力と言う関税をなくします。後は自由貿易ですから、日本が買うか買わないか、国民が選ぶか選ばないか、全く自由です。海外にも買ってもらえるか否かも相手の自由です。日本の製品産物は品質安全性においてとても人気があります。関税と言う障壁がとれて、更なる経済発展が見込めることもあると思います。
TPPに参加することになっても、日本国の農業が壊滅したり、日本国が亡国に導かれるなど言うことは絶対にありません。理由は、TPP加盟国の貿易の主体はあくまで民間資本であり、国ではありません。さらに自由貿易という、強制と言う押し付けなど全くありません。どういうルールになるかも交渉参加しないとわかりません。食の安全ということも言われますが、何を買おうが自由であり安全安心な国産品を買えば問題ありません。それよりも既に遺伝子組み換えの肥料や飼料により育てられた肉や乳製品は既に輸入されています。したがってそのことの是非ということではなく、食の安全性理由のTPP反対はほとんど意味を持たなくなっています。
明確にしておきますが、TPP交渉参加してその結果が出ない限り安倍自民政権はTPPに参加か不参加か決めていません。したがって私もまだ決定もされず中身もわからないこと、つまりTPPに賛成でも反対でもありません。わからないことに賛成したり反対したりして、安倍政権の足を引っ張るようなことは現在の日本と日本国民にとってマイナスだと思います。安倍総理がいう「日本の国益は守る」その言葉を信じてTPPの今後を見守りたいと思います。しかしTPP反対に、一部の関係団体による既得権確保の思惑があり助成金等の目的があるなら、そのときは日本の国益に害するとして徹底的に追求します。
全国の農協団体が同一の足並みということでもありません。ガットウルグゥアイラウンドの時の助成金はその多くが農家にいきわたらず一部の権利者に渡り利用されてしまいました。確かに農協の持つ役割は重要だと思いますが、あくまで個々の農業従事者に対する支援でなくてはならず、さらにその日本の農業を発展させようという意欲に対しての共同体でなくてはならないと思います。個々の農家を無視した、一部の権力者の既得権益の確保になってはならないと思います。
TPP交渉参加のニュースの一方で、日中韓FTAの事務レベル交渉が再開されています。私のツイートではこの三国間FTAに対しての危険性をあげ、さらに日本には当面のメリットは無く中韓への救済にしかならないので現時点では反対と私は主張しています。日中韓FTAの内容についてはツイートをご覧戴くとしてTPPとの関係から考えるとこの三国間FTAは大きな意味を持つことになります。そこにはTPPに反対するグループが、TPPには反対しているにもかかわらず、なぜ日中韓FTAには反対もせず一切触れようともしないかの理由も見えてきます。
仮にTPP締結よりも以前に、日中韓FTAが締結されると、後に締結されるTPPよりFTAでのルールが三国間だけではずっと優先します。日中韓三国だけの独自のルールを継続していくことが出来ます。日中韓の貿易量シェアは全体の10%前後といわれておりその主体は日本です。参考までにTPPは30~40%といわれています。話が少しそれますが、環太平洋とアジアで世界の約半分を占める経済圏があるということです。
一言で10%のシェアということは中韓にとっては極めて大きな経済規模であり、三国間だけのルールはより重要であり日本相手に国内産業が保護されるメリットも相当あるということです。しかしTPPの方が先に締結されると、日本としてはTPPのルールを基本として三国間FTAもルール作りすることになるのは当然です。そうなればまだまだ参加希望の意志はあっても、現時点ではとてもTPPへの参加が不可能な国内事情が山積する中韓両国にとってはせっかくの三国間FTAのメリットがなくなってしまいます。こんなところがTPPに対抗しようとする中共が三国間FTA締結を急ぐ理由であり、この日中韓FTAはほとんど両国からの製品等に関税をかけていない日本にはあまりメリットがないということも読み取れます。つまりTPPに反対することは、三国間FTAにより享受される中韓のメリットを守るためという面を決して否定できないということなのです。そこに左翼グループが中心となってTPPに反対しているというわかりやすい構図が見えると思います。ちなみにガットウルグゥアイラウンドの時に左翼グループは一切動いていません。理由は守ったり応援したり支援してくれるところもなかったからです。しかし、こうしたことの戦略を立てているどこかのグループは、その手先である、例えば山本太郎などには決して真意を伝えません。あの一直線的なところを利用することが保守層にまで支持を広げられる意図であり、仮に真意を知らせても意図を汲み取れるとは思えず逆に持ち味を活かせなくなります。左翼組織の戦略は緻密です、手先に使う人間は単純に越したことはありません。そして一般の人々もほとんどはTPPや原発等に関しては単純にしか考えていません。
TPPに関しては安倍政権の今後に関しても大きな意味を持ちます。TPP問題は、保守革新とか思想とは直接関係ありません。実はそこに大きな罠が潜んでいると思います。反原発運動も同様です。どういうことかというと、思想とは関係のない反TPPと反原発を主張していわゆる保守層を取り込み、賛同させて徐々に左翼思想に染めていこうという左翼グループの戦略が背景としてあります。極左がそしてその暴力革命がイメージされてきた過去を反省し、反TPPそして反原発という国民の注目にあわせ、極左暴力集団としての牙は隠しておいて、運動として大きく展開させよう、そしてその行き着く先にいずれ日本解体・左翼主義革命を国民運動として展開させようという思惑の極左グループが中心となった計画戦略があります。反TPP・反原発は、左翼思想とも保守も直接関係が無いところが、国民の賛同も得られやすく、なおかつ左翼としての思想も隠すことができ、左翼グループにとって格好の材料となっているのです。さらに反TPP・反原発は、一部の企業もしくは団体によってはメリットに繋がることもあり、支援活動もするので支援資金も相当に集まります。従ってデモ主催者の正体も見極めずに迂闊にデモに参加したりすると、いつの間にか左翼のメンバーとして認知されたり左翼の資金集めに協力させられていたり、場合によっては左翼に寄付してしまうことにもなりかねません。
安倍総理の渋谷演説妨害、安倍総理が左翼の妨害とフェイスブックで発言したところすぐに左翼ではないと反発していましたが、参加者は普通の主婦やサラリーマン等と根拠にしていましたが、レベルが知れるというものです。思想は職業とは一切関係ありません。安倍総理も一瞬?!だったようですが、誰かをどのように思うかは自由であり、評価であり、言い訳も無意味です。この妨害デモの主催者はツイートしてあり、しばき隊も入っていました。TPP反対も原発反対も自由であり、主張なので結構なことですが、間違った行動は安部自民政権の足手まといならないとも限りません。反TPP・反原発運動は、ほとんどが左翼グループにより扇動されているということだけはよく認識していただきたいと思います。ただ反TPPだ、反原発だ、と主張しているだけで左翼グループの戦略に迂闊に乗らずに、騙されるようなことがあってはいけません。
残念ながら創価学会公明党との選挙協力があっての自民勝利です。しかし自民の比較第一党として安倍政権の求心力も確実に増します。安倍政権の掲げる政策はかなりの確立でもって進められることも間違いないと思います。そして勝てば官軍、誰しも権力者には同じ政治家であれば弱いので、自民党内でも表立って安倍総理に牙を剥いてくる議員はまずいなくなると思います。むしろ政権の求心力は高まり長期安定政権が見込まれポストほしさになびいてくる議員の方が多くなると思います。それが良いのか悪いのかは別にしてある意味自民の持つ体質ともいえます。
安倍総理、自民党といえども業界の組織票により支えられている面はあります。今回の選挙でも医師会、郵便局、農協関係と建設業界等による支持の組織票もあります。その支持する協力があっての選挙勝利ですから、それぞれの業界の意向も無視することは出来ません。ただ民主党を支持する労働組合よりかははるかにましということはいえます。しかし、ここにこれまでの自民の古い体質といわれた既得権益を守る、いわゆる族議員が支持を背景に跋扈するというようなことが起きれば、安部政権は一気に国民の信頼を失ってしまうかも知れません。このようなことが起きないようこれからは自民党内も厳しく観察し、事が大きくならないうちに潰していかなければなりません。そして古い自民の体質にある派閥があります。もっともこれは民主党にもあり、単なる野合が一つの党になってもいまだに牽制しあってます。自民党の派閥は志を一つにしても親分が何人もいて、それぞれの若い衆の面倒をみるというシステムです。安倍総理は町村派であっても親分ではありません、側近の議員と共に派閥横断の人事等により出来るだけ派閥の持つ力をなくそうとしています。したがって自民党内部で派閥の論理により安倍政権の足並みが乱れることの無いように監視していかなければなりません。
自民党には保守政党といえども多種多様な政治家がいます。思想的にも右翼的といわれる真正保守から、親中・親朝鮮そして戦後レジームにどっぷりつかり、とても愛国心など持ち合わせていないのではないかと思われるような議員までいます。ここではその深い理由までは述べませんが、一言で言えば日本国家の日本人の為の政治活動というより、己が為だけの私利私欲しかないということです。
こうした勢力から安倍政権を守っていくためには周囲の側近、そして政権であり安倍総理の私的諮問委員会そして各省庁から出向の戦略グループを最大限に活用し、各方面から信頼の厚い菅官房長官による出来るだけの情報発信が国民の耳に届くようにしていかなければならないと思います。おそらく安倍政権は戦後の数少ない真正保守政権だと思います。政権発足後半年以上経過しても高い支持率は、その政策に対する国民の期待の声と思います。
安倍総理の言う日本をとり戻す、その実現のために国民として支持の声を挙げ、一人ひとりの国民として愛国のために出来ることをしていくことが大切と思います。私はこのブログのように背景を解説し、様々な情報はツイートし、一人でも多くの国民と共に日本と日本国民を守って行きたい、ただその信念でまい進します。そのためには一人でも多くの賛同者が必要であり、多くの人間の力により動かせるようになりたいと願っています。
Written by Taro Inoue
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