東京電力は9日、福島第一原発の汚染水をためたタンク群を囲む堰(せき)の1カ所から、内側にたまった放射性物質を含む雨水が漏れたと発表した。堰の排水弁付近から漏れたとみられ、堰外に約0・8平方メートル程度の漏れた跡があったという。漏れた量を調べている。東電は、近くに排水路がないため、海への流出の可能性はないとしている。

 堰内の水の放射性物質の濃度はストロンチウムが1リットルあたり140ベクレルで、堰内から排水できる暫定基準値の約14倍だった。

 堰内の雨水が漏れたのは「H6」と呼ばれるタンク群。9日午後1時10分ごろ、見回り中の協力会社の作業員が漏れているのを見つけた。排水弁は閉じていたが、弁の取り付け部付近からにじみ出ていたという。タンクからの汚染水漏れはないとしている。