友ケ島:ラピュタ似? 残る戦争遺跡、コスプレファン注目

毎日新聞 2013年11月09日 11時08分(最終更新 11月09日 14時16分)

独特の雰囲気があり、人気の撮影場所である第3砲台跡=和歌山市で2013年11月2日午後2時15分、岸本桂司撮影
独特の雰囲気があり、人気の撮影場所である第3砲台跡=和歌山市で2013年11月2日午後2時15分、岸本桂司撮影

 和歌山市加太沖にある無人島「友ケ島」が、アニメなどの登場人物の格好をまねる「コスプレ」ファンの人気を集めている。大阪湾の入り口にあり、島内には旧日本軍の砲台跡など戦争遺跡が残る。インターネットで「アニメの世界に似ている」と評判になり、11月初めに開かれたコスプレ撮影会は定員50人がすぐに埋まった。地元では「島をコスプレの聖地に」と期待が高まっている。

 和歌山市の加太港から定期便で約20分。友ケ島は沖ノ島▽虎島▽神島▽地ノ島−−からなる。侵入する外国艦船を砲撃する拠点として明治時代に6カ所の砲台が建設され、第二次世界大戦終結まで一般人は立ち入りが禁止された。戦後は南海電鉄が観光開発に乗り出し、最盛期の1964年には約9万6000人が訪れたが、次第に減少。2002年に南海が撤退し、現在は市と国が管理する。

 このうち沖ノ島は、数年前からコスプレファンに注目され始めた。現地でコスプレ姿を撮影した写真がネット上に掲載され、「宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』の世界に似ている」などと話題になった。

 11月2、3両日に開かれた撮影会では、特にれんが造りの第3砲台跡が人気を集めた。他の砲台より大きく、元弾薬庫などが半地下式に並ぶ。れんがにはコケが生えてツタが絡まり、空中を浮遊するラピュタの城の雰囲気に浸れるという。テレビゲーム「ドラゴンクエスト」に登場する地下洞窟に似ているとの声もある。企画した「マジックアワーカフェ」の中川志乃代表(25)は「非日常的な雰囲気の空間なので、ゲームやアニメの舞台に入り込める」と語る。

 地元の加太観光協会は島への臨時船を手配したり、住民が驚かないよう告知したりして全面協力している。関西国際空港から加太港まで車で約1時間の距離で、協会青年部長の稲野雅則さん(40)は「海外で日本のサブカルチャーは大変な人気。将来はコスプレの国際イベントも誘致したい」。島で戦争遺跡や観光のガイドを務める松浦光次郎さん(48)も「目的がコスプレでもどんどん島に来てもらって、なぜ島に戦争遺跡があるのかといった歴史にも思いをはせてほしい」と話している。【岸本桂司】

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