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【社会】

福島第一 作業員日当1万円増額

 東京電力の広瀬直己(なおみ)社長は八日、福島第一原発で作業員の確保が難しくなってきたことを受け、来月から下請け作業員の日当を一万円増額することを明らかにした。下請け企業が安定して作業員を集めやすくなるよう、今月から作業に習熟した企業に継続的に発注する方式を取り入れることも表明した。 

 福島第一では経営難の東電がコストを削るため、安さ重視の競争入札を拡大してきた。しかし、事故現場なのに、一般的な土木作業と同等の価格での入札が多くなり、現場に詳しい企業が受注できなくなった。多段階の下請け構造の中で、作業員が受け取る日当が八千円程度という事例もあった。下請け企業は次の仕事が取れるかどうか分からず、作業員の解雇が増えた。作業員の中には、原発より被ばくの心配が少なく、国から危険手当が出る除染作業に流れる人も多くなった。

 東電はこうした状況にようやく気づき、日当の上乗せや、下請け企業には随意契約で継続的に発注することで、状況の改善を図ることにした。日当の上乗せ分は東電が元請けに支払う形で、中抜きされず確実に作業員に届くかどうか、不安が残る。広瀬氏は「元請けにお金をどこにどう流せとは指定できない。ただ、公開の場で日当が一万円増えると表明すれば、作業員の皆さんが上乗せを知ることになる」と述べた。

 

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