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神戸DF北本選手、がん克服し復帰 「クニさんの頑張り」チームの活力に

産経新聞 11月9日(土)14時51分配信

神戸DF北本選手、がん克服し復帰 「クニさんの頑張り」チームの活力に

悪性腫瘍を乗り越え、ピッチに立つ神戸の北本久仁衛選手(左)=3日、神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸(彦野公太朗撮影)(写真:産経新聞)

 サッカーJ1への復帰が10日にも決まるJ2のヴィッセル神戸に不屈の闘志でピッチに立つベテランがいる。肋骨(ろっこつ)の悪性腫瘍(がん)を克服したDFの北本久仁衛(くにえ)選手(32)。「健康だけが売りだった」という自身に襲った突然の病魔。手術から半年足らずで実戦復帰を果たし、「今まで当たり前にしてきたことが当たり前じゃなくなった。サッカーができる喜びをさらに感じられるようになった」とかみしめながら戦い続ける。(細井伸彦)

 奈良市出身の北本選手は2000(平成12)年に奈良育英高からチームに加入。昨季には、J1通算300試合出場を達成した神戸一筋14年目の守備の要だ。

 そんな北本選手の肋骨に直径5センチ程度の腫瘍が見つかったのは、今年1月のメディカルチェック。その時点では良性か悪性か分からず、サッカーができなくなるという不安もあったが、もともとが楽観的な性格で「復帰できるだろう。すべてうまくいくはず」と治療に専念。3月13日、5時間に及ぶ手術を受け、無事成功した。神戸は昨季、J1で16位と低迷し、J2に降格。昇格を目指す大事なシーズン開幕前に離脱を余儀なくされたことに大きなショックを受けた。

 そんな沈みきった心を癒やしてくれたのは、チームメートのサプライズだった。手術日の直前、仲の良い後輩を伴って訪れたレストランの貸し切りのフロアには、全選手が勢ぞろいしていた。

 「クニさんが戻ってくるまで首位にいられるよう頑張るから。クニさんも頑張ってね」。仲間たちの励ましに勇気がわいた。

 神戸は序盤の10試合で8勝1分け1敗と開幕ダッシュに成功し、J1に自動昇格できる2位以内をキープ。北本選手も「チームの一員として早く戦いたいという気持ちだった」と懸命のリハビリに励み、9月1日のギラヴァンツ北九州戦で実戦に復帰。7試合に出場するなど貴重な戦力となっている。

 現在2位のチームは10日のコンサドーレ札幌戦(札幌ドーム)に勝つか引き分ければ、J1復帰が決まる。アウェーでの大一番を前に「これまでタイトルを取ったことがないんで。他力も必要だけど、ここまできた以上はJ2優勝を」。“神戸の鉄人”が力を込めた。

最終更新:11月9日(土)17時36分

産経新聞

 

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