伊豆大島:64歳女性が炊き出し 支援恩返しに福島から米

毎日新聞 2013年11月09日 15時00分

ボランティアに配るため、福島県産のお米でおにぎりを作る川浪ときわさん=東京都大島町で2013年11月8日、中村藍撮影
ボランティアに配るため、福島県産のお米でおにぎりを作る川浪ときわさん=東京都大島町で2013年11月8日、中村藍撮影

 台風26号の土石流被害を受けた東京都大島町(伊豆大島)で、現地のボランティア向けに炊き出しをしている元町地区の自営業、川浪ときわさん(64)の元に11月初め、東京電力福島第1原発事故で避難生活を送る福島の友人から福島米が届いた。「自分の生活も大変な中で送ってくれた宝物のお米」。川浪さんは感謝を込めながらおにぎりを握る。【西嶋正信】

 川浪さんは福岡県出身。仕事で訪れた大島の自然と人情に魅了され、1987年に品川区から移住した。

 2011年3月の原発事故に心を痛め、被災地でのボランティアを決意。植樹やバザーなどの復興支援活動をしているNPO「花見山を守る会」(福島市)を新聞で知り、12年3月〜今年7月、複数回にわたって活動に加わった。支援物資の仕分けなどに携わり、同NPOで活動する竹井靖さん(73)と知り合った。

 竹井さんの自宅は第1原発から約9キロ離れた福島県浪江町の居住制限区域にあり、現在は福島市で避難生活を送る。竹井さんは土石流被害をテレビで目にし、電話で川浪さんの無事を確認した。妻(65)が必要物資を尋ねたところ、10月末から炊き出しを始めた川浪さんが「お米」と答えたため、福島米25キロを届けたという。

 川浪さんは近所の友人と毎朝1升5合を炊き、疲れたボランティアが「手早く満腹になるように」と大きめに握る。昼までに大島社会福祉協議会災害ボランティアセンターに車で届け、ボランティアからも「ありがたい」と好評だ。

 川浪さんは「自分にできる災害支援はボランティアの下支え。自費で活動する方の助けになれば」と話す。竹井さんは「送った米が役立てばうれしい。今度は福島が大島を助ける番」と求めに応じて追加支援をするつもりだ。

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