【堺謙一郎】死者458人、一酸化炭素(CO)中毒患者839人を出した旧三井三池炭鉱三川坑(福岡県大牟田市)の炭じん爆発事故から50年となった9日、犠牲者を追悼する式典が三川坑跡で開かれた。大牟田市や熊本県荒尾市、日本コークス工業(旧三井鉱山)などでつくる実行委が初めて主催した。

 花束を抱えた遺族の姿も見られ、主催者発表の参列者は約450人。父親を事故でなくした大牟田市椿黒町の安永清子さん(60)は「現場には初めて来ました」と坑口跡で手を合わせた。しかし、被災者団体の主な幹部は参加せず、被災者代表のあいさつもなかった。

 式典は、かつて海底の採炭現場まで坑内員を人車で運んでいた三川坑・第2斜坑の坑口前の広場で行われた。大牟田、荒尾両市などの首長や議長、地元経済界の関係者、日本コークス工業の鍜治屋和博常務らが参列。すでに密閉された坑口前に祭壇が設けられ、全員が献花した。