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2013.11.6
今週中にも審議入りが見込まれている特定秘密保護法案。先日、米ニューヨーク・タイムズ紙電子版に「Japan's Illiberal Secrecy Law」と題する社説が掲載された
▼「Illiberal」は「反自由主義的な」という意味。この語は「狭量な」「偏狭な」、あるいは「無教養な」「下品な」などの意味合いでも使われる。米国に歩調を合わせるつもりの法案が、あに図らんや批判されている
▼ニューヨーク・タイムズは、言わずと知れた米言論界の代表的メディアの一つ。同国との情報共有を促進するべく安倍政権が成立を急ぐ法案は、翻って米社会にも秘密の拡大と秘匿の徹底が及ぶのではないかとの懸念もあるだろう
▼もう一点、社説は東アジア安定への脅威を指摘する。安倍政権が同法案とセットで進める国家安全保障会議(日本版NSC)構想は、その事務局に「中国・北朝鮮」部門を置く方針。国を名指しの編成が不信と対立をあおる可能性だ
▼今秋、安倍晋三首相は米国で「私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞ」と発言。趣旨は右傾化批判への反論だが、どこか捨て鉢な印象が、社説にも投影されているのではないか
▼ふと気がつけば独りということもある。個人はさておき、国ぐるみ「右翼の軍国主義」と思われるのは困る。
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