桑原克典が首位タイ

　▽８日、茨城県稲敷郡美浦村、美浦ＧＣ（６９５３ヤード、パー７１）▽晴れ、気温１９・２度、風速１・６メートル▽賞金総額２億円、優勝４０００万円▽９４選手（うちアマ４人）▽観衆１７６１人

　桑原克典（４４）＝ミズノ＝が５バーディー、ボギーなしの６６をマークし、通算９アンダーで前日の４位から首位タイに浮上した。１０月のチャレンジツアー（下部ツアー）優勝で今大会の出場権を獲得。シード復活につながるＶを目指す。２週連続優勝を目指し初日首位だった池田勇太（２７）＝日清食品＝は通算７アンダーの６位に後退。前日３６位だった石川遼（２２）＝カシオ＝は通算３アンダーの２０位に上昇した。

　愛知県北名古屋市（旧師勝町）出身・在住で今季ツアー４試合目の桑原が、初日の４アンダーに続いてこの日も５アンダーをマークして首位に立った。２００８年キヤノンオープン第２ラウンド以来のトップ。「昨日は久しぶりのツアーで手探り状態だったけれど、今日は落ち着いてできた。ツアーはやっぱり天国ですね」と笑顔を見せた。

　昨年の賞金王・藤田寛之や丸山茂樹と同い年。過去ツアー２勝で、９５〜０５年と０８、０９年はシード選手だった。だが、１０年にシード落ちして今年はチャレンジツアーが主戦場。「チャレンジの練習場ではボール制限もあるし、ドライバーが使えないところもある。“稼いだ”と言っても２０万円くらい。経費とトントン」と厳しい戦いに身を置いている。その半面「チャレンジで頑張っている選手を見ると刺激を受ける。根性がある。ツアーのころより練習するようになった。フルにチャレンジに出させてもらって良かった」とも。

　前週に行われた来季のツアー第３次予選会を見事クリアし、すでに最終予選会進出を決めている。今大会はチャレンジツアー（ＨＥＩＷＡ・ＰＧＭ　ＣｈａｌｌｅｎｇｅＩＩＩ、１０月１０〜１１日）で優勝を飾って臨み首位奪取。最高の流れとなっている。「先週は落ちると（来季は）ほぼ試合に出られないからガチガチ。今週は伸び伸びできてるけど、明日からまた別のプレッシャーがかかると思う」。９８年以来のＶチャンス到来にも泰然自若だ。　（櫛谷和夫）

　▽藤田寛之（１２位タイ、同期の桑原について）「結果がすべての商売だけど、悪い時ほど頑張れる。学生時代の彼は西の横綱（東は丸山茂樹）、僕は三役にもなっていなかった。お互い刺激になるし、励まし合ってる部分もある」