グッドデザイン賞:政府の反対でグーグル「大賞」受賞逃す
2013年11月07日
7日に発表された2013年度のグッドデザイン賞で、審査委員会が最も優れた「大賞」(内閣総理大臣賞)に、検索大手の米グーグル社の「グーグルマップ」を選定したにもかかわらず、政府の反対で急きょ、「該当作品なし」となったことが分かった。大賞が選ばれなかったのは、賞が始まった1957年以来初めて。主催の日本デザイン振興会(東京都港区)は「理由について説明がない」と困惑している。
同振興会によると、一般投票や審査委員などの投票の結果、グーグルマップが2752票でトップ。2位で2232票を獲得した宇宙航空研究開発機構のロケット「イプシロン」などを抑えて、最多得票だった。振興会ではこの結果を5日、経産省に伝えて総理大臣賞の申請をした。しかし、6日になって経産省が「最も優れたものとは判断しがたい」と断ってきたという。
そのため、振興会は、急きょ「大賞の該当作品なし」とし、グローバルデザイン2013賞(日本デザイン振興会会長賞)を新設して、グーグルマップを受賞させた。
担当の経産省クリエイティブ産業課は「投票結果はドングリの背比べのようで、グーグルマップが過半数を取るなど、顕著な結果を出したとは言い難いため、内閣総理大臣賞の要件を満たしていない。首相官邸と相談の上で判断した結果」と説明している。一方、振興会によると、こうした連絡は受けておらず「断られた理由が分からない」と話している。
13年度のグッドデザイン賞は、3400件の応募があり、審査の結果1212件が受賞。さらに大賞の候補が10件に絞られていた。【仲村隆】