東京電力福島第一原発事故による子どもの甲状腺検査で、福島県立医大の事務担当者らが1年半にわたり、再検査の必要などを判断する計130人分の結果を医師に確認せず、誤った分類で集計していた。県と県立医大が8日、明らかにした。子どもや保護者には医師が検査による分類結果を直接伝えていたが、県が公表した資料には誤集計のデータが使われていた。

 検査は、甲状腺内のしこりなどの大きさによって検査対象者を「A1」「A2」「B」「C」に分類し、再検査の必要の有無や再検査までの期間を決める目安にする。医師が書く検査結果の報告書で、この分類の記述が漏れていた場合に、5人の事務担当者は分類を医師に確認せず、勝手に「A2」などとして集計していたという。誤集計は2012年3月から今年9月まで続いた。2次検査をした897人のうち、130人分に修正が必要な誤りがあったという。県立医大は「事務担当者が忙しく、確認をおろそかにしていた」と説明し謝罪した。

 甲状腺検査では今年8月にも検査結果のデータ集計ミスが発覚し、医大が他に誤りがないか調べていた。電子カルテと分類結果の照合で間違いがわかった。