巨人・原監督が8日、渡辺恒雄球団会長(87)、白石興二郎オーナー(67)にシーズン終了の報告を行い、新たに2年契約を結んだことを明らかにした。合わせてコーチ人事も発表され、来季に向けた首脳陣の体制は固まったが、チーム内をやきもきさせているのが来季の戦力補強だ。渡辺会長が「あらゆる補強をして勝つ」と語ったものの、目立った動きは見られないのが現状だ。
東京都内の読売新聞本社で行われた報告はおよそ1時間にわたった。会談を終えた原監督は「『あと一歩だったな』というところですね。『来季また目標に向かってやろうじゃないか』というところでした」とサバサバした表情で語った。
来季から2年契約を結んだことも監督自ら明言。けじめをつけて気持ち新たに来季に臨む形になったが、気になるのは戦力補強だ。広島・大竹や西武・涌井、片岡らFA組をはじめ、中日を退団した井端などがいるが、今のところ国内選手で調査に乗り出しているのは大竹くらい。
二塁手が手薄なことから一時は片岡の名前もささやかれたが、生え抜きの育成を重視したい原監督の意向もあり見送る方針を固めたばかり。となれば、チーム内から「どうなっているんですかね」の声が上がるのも無理はない。
では、現状のチーム状態で来季もやっていけるかといえば、そうではない。中継ぎに配置転換後、救援陣につなぐ重要な役割を果たした澤村は来季も中継ぎに回る可能性が高い。先発要因が手薄になることは必至だ。先発左腕も確定しているのは杉内と内海となれば、不安は残る。野手では二塁手、そして左の強打者だ。監督も「(高橋)由伸、慎之助の次がね」と次世代を担う存在を欲している。指揮官は「こっちの要望は(球団フロントに)当然伝える必要はあると思いますが、我々は与えられた戦力のなかでいかに強いチームをつくっていくかと。その部分の役割という点においてはね、お任せすると」と語ったが、ほとんど動きの見られない状況に何を思うか。
FA権の行使通知は13日まで。公示と同時に12球団が一斉に動き出すことになる。巨人というブランドをバックにまずは他球団の様子見と決め込んでいるのか、それともこのまま動きのないまま迎えるのか。FA戦線の行方が気になるところだ。
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