民主党岩手県連:元役員2人に4950万円支払い命令
毎日新聞 2013年11月08日 16時28分
生活の党の小沢一郎代表らが民主党からの集団離党を届け出た翌日に、民主党岩手県連の資金計4500万円を無断で持ち出したのは違法として、同県連が同様に離党した当時の役員2人に全額の返還などを求めた訴訟の判決が8日、盛岡地裁であった。貝原信之裁判長は弁護士費用を含め計4950万円の支払いを命じた。
同県は小沢氏の地盤で、小沢氏は離党前まで民主党県連代表も務めていた。持ち出された金は、同県連が当時管理していた資金の約67%だった。
訴状などによると、小沢氏の離党届提出翌日の昨年7月3日、当時の同県連代表代行(79)=前衆院議員=と幹事長(61)=県議=がそれぞれの資金管理団体に計4500万円を送金。2人はその後、小沢氏が結党した国民の生活が第一に入り、資金も国民の生活が第一岩手県連に移した。2人は現在、生活の党に所属している。
裁判で民主党県連側は「資金管理の権限を持っていた2人が必要な手続きを経ないで持ち出した」と主張し、弁護士費用を上乗せした計4950万円の支払いを求めた。これに対し、2人は「元々は(民主党との合併前に)小沢氏を中心に結党した自由党の資金」などと反論していた。
資金移動について、元代表代行は発覚後の記者会見で「私個人の判断で元幹事長に指示した」と小沢氏の関与を否定していた。【金寿英】