名古屋グランパスのDF田中隼磨(31)が8日、9年ぶりの優勝が近づいている古巣の横浜Mを全力でたたくと誓った。モチベーションの高い相手との対戦を「チャンス」と捉え、残り4試合で明確な目標が薄れつつあるグランパスに火を付ける。
古豪と呼ばれつつあった横浜Mの今季の躍進を受け、隼磨は熱い思いを抑えきれなかった。
「いろんな思い出が詰まったスタジアムだし、ほとんど知っている選手。そういう感情のなかでプレーできる喜びを感じられると思う」。2009年にグランパスに移籍する前は横浜Mに所属。04年には主力として3度目の年間優勝に貢献し、その年で最後となるチャンピオンシップにもフル出場した。再び盛り上がるであろう横浜の地に思いをはせた。
残り4試合で優勝も降格もなくなったグランパス。チーム全体として消沈ムードは否めないが、自身は常に高い意欲で試合に臨んでいる。相手とのモチベーションの差をかみしめつつも、これを好機と捉える。
「優勝争いしているマリノスとここでやれるのはチャンスだと思う。勝つか負けるかで残り試合が全然違う」。首位をたたき、優勝戦線を盛り上げることができれば、自信回復にもつながるというわけだ。だから、胆のう炎のため欠場が濃厚となった敵軍の大黒柱でもある元日本代表MF中村についても「俊さんには出てほしい。ベストを尽くせば絶対勝てるから」。隼磨はあえて出場を熱望した。
最強の相手に全力でぶつかり、勝つ。姿勢だけではなく内容と結果でプロの意地を見せる。 (宮崎厚志)
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