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「新国立競技場計画見直しを」
11月7日 22時43分

「新国立競技場計画見直しを」
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2020年のオリンピックとパラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場の改築について7日、建築家などが文部科学省を訪れ、「新しい競技場は大きすぎ、景観や維持管理などの面で懸念がある」として計画を見直すよう求めました。

文部科学省を訪れたのは、東京体育館や幕張メッセなどを手がけた建築家の槇文彦さんや都市計画の専門家など4人です。
槇さんたちは、国立競技場の改築計画を見直すよう求めるおよそ100人の連名の要望書を担当者に手渡しました。
国立競技場は2019年までに改築され、翌年のオリンピックとパラリンピックのメインスタジアムとなる予定で、公募で決まったデザインを忠実に再現した場合、費用はおよそ3000億円に上ると試算されています。
要望書によりますと、計画されている競技場は同じ程度の収容人数だった過去のオリンピックのメイン会場に比べ、2倍から3倍の延べ床面積がある一方、敷地は狭いとして、景観や安全、それに維持管理費用の面で懸念があるとしています。
そのうえで、景観に調和し、少子高齢化にも対応できるよう施設の規模と形態を見直すよう求めています。
槇さんは「今の計画では競技場周辺の敷地にゆとりがなく、災害時に安全な対応ができるかどうか懸念される。8万人規模の座席が必要なのはオリンピックの開会式など限られたイベントのみで、その後も数十年使うことを考えると座席を仮設にするなどの工夫で規模を縮小できるのではないか」と話していました。

費用が大幅に膨らむ

東京・新宿区にある国立競技場は1964年の東京オリンピックで開会式が行われ、数々の競技の舞台となりました。
完成から50年余りがたち、老朽化が進んでいるほか、観客席の数やトラックの大きさが大規模な国際大会の基準に満たなくなったこともあって改築が決まりました。
国立競技場を管理運営する日本スポーツ振興センターは、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピックとパラリンピックに向けて去年7月に国際公募でデザインを募集。
去年11月、イギリスに事務所を置くイラク人の女性建築家、ザハ・ハディドさんのデザインが最優秀賞に選ばれました。
スポーツの躍動感を思わせるような流線型で斬新であることなどが評価されました。
新しい競技場は天候に左右されずに観覧できるように開閉式の屋根が設けられ、敷地面積は現在の1.6倍の11万3000平方メートルに、収容人数は5万4000人から8万人に、陸上トラックは8レーンから9レーンに増える予定です。
予算は当初、およそ1300億円とされ、文部科学省は来年度予算案の概算要求に設計や解体工事の費用として232億円余りを盛り込んでいました。
ところが、日本スポーツ振興センターが設計会社に依頼したところ、このデザインを忠実に再現した場合、費用は3000億円に上ると試算されました。
これを受けて、下村オリンピック・パラリンピック担当大臣は「8万人という収容人数の規模を維持し、デザインを生かしつつも、周辺の立体通路の部分などは縮小する方向だ」と述べて、費用を抑えるため、当初のデザインより縮小する方向で検討する方針を示しています。
現在の国立競技場は、来年7月から解体が始まり、新しい競技場はオリンピック開催の前の年、2019年(平成31年)3月に完成する予定です。

都は建設費負担に否定的

国立競技場の改築を巡って、文部科学省は、東京都に対して施設本体の建設費を一部負担するよう求めていますが、都は「国の施設は国が負担すべきだ」として否定的な考えを示している一方、競技場周辺の再整備については、都が一部、整備に当たることを検討しているとしています。
東京都は、2020年のオリンピックとパラリンピックの開催に向け、これまで積み立ててきたおよそ4000億円の基金をバレーボールや競泳などが行われる10の競技施設などの整備に充てることにしています。
一方、国立競技場の改築を巡っては、文部科学省が東京都に対して施設本体の建設費を一部負担するよう求めていますが、都は、国の施設となる国立競技場の整備は国が行うべきだという認識を示しています。
猪瀬知事は、今月1日の記者会見で、国立競技場の改築について、「原則論として、国立なので国が建設費を支払うのは当たり前だ」と述べ、競技場本体の建設費を都が一部負担することを否定しています。
関係者によりますと、数年前に当時の石原知事が建設費の一部を都が負担する考えを招致関係者に伝えたという情報もありますが、東京都は、「把握しておらず、都が負担する根拠になりえない」としています。
一方で東京都は、7年後の開催に向けて新しい国立競技場周辺のバリアフリー化を図るため、最寄り駅から競技場まで歩行者用デッキを整備して起伏をなくすなど競技場周辺の再整備を促す計画をまとめています。
こうした整備について東京都は、「都有地や都道にかかる施設は、都が整備することを検討している」としています。

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