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収賄の罪 元警部補に無罪判決
11月08日 12時17分

収賄の罪 元警部補に無罪判決
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福岡県警察本部の元警部補が、捜査情報を漏らした見返りに現金を受け取ったとして収賄の罪に問われている裁判で、福岡地方裁判所は、元警部補に無罪の判決を言い渡しました。元警部補は容疑を大筋で認めていましたが、判決は現金を受け取った日時と場所が認定できず、犯行は証明されていないと判断しました。

福岡県警察本部の元警部補、中村俊夫被告(50)は、福岡市にある東警察署の薬物銃器係長だった去年3月、暴力団との関わりが疑われる人物に、捜査情報を漏らした見返りに現金10万円を受け取ったとして収賄の罪に問われています。
これまでの裁判で中村元警部補は、捜査情報を漏らして現金を受け取った事実は認めたものの、受け渡しの日時と場所が起訴された内容と違うとして、無罪を主張していました。
8日の判決で、福岡地方裁判所の野島秀夫裁判長は「現金を受け取った日時と場所が、起訴された内容通りの被告の捜査段階の自白調書は、取調官に誘導されたおそれが否定できず、信用できない」と述べました。
また、日時と場所を裏付ける確実な証拠はなく、犯行は証明されていないとして、中村元警部補に対して無罪を言い渡しました。
さらに野島裁判長は、元警部補に現金を渡したとして、贈賄の罪に問われた33歳と32歳の男性2人に対しても、犯行を裏付ける証拠がないとして無罪を言い渡しました。
一方、別の覚醒剤取締法違反事件で、暴力団幹部に捜査情報を漏らしたなどとして、地方公務員法違反と犯人隠避の罪に問われた事件については、元警部補の犯行を認め、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
収賄の罪が無罪となったことについて、福岡地方検察庁の玉置俊二次席検事は「検察の主張が認められなかったことは誠に遺憾です。判決内容を精査し、上級庁とも協議して適切に対応したいと考えています」というコメントを発表しました。