捜査情報漏えい:元福岡県警警部補 収賄は無罪 地裁判決

毎日新聞 2013年11月08日 11時10分(最終更新 11月08日 13時23分)

 捜査情報を漏らした見返りに暴力団関係者から現金を受け取ったなどとして、収賄、犯人隠避、地方公務員法(守秘義務)違反の罪に問われた福岡県警元警部補、中村俊夫被告(50)の判決公判で福岡地裁は8日、収賄罪については無罪とし懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役2年6月、追徴金10万円)を言い渡した。贈賄罪に問われた指定暴力団工藤会関係者、梶原勇樹(32)、梅崎高洋(33)両被告も無罪(求刑・懲役1年)とした。

 企業・市民襲撃などの続発を受けた暴力団取り締まり強化のさなかに発覚した身内の癒着に、県警は信頼回復に向け捜査を急いだが、判決で詰めの甘さを指摘される形となった。福岡地検は控訴するとみられる。

 野島秀夫裁判長は「誘導的な調べの疑念があり捜査段階の供述の信用性は低い」と収賄罪は認めなかったものの「捜査情報漏えいは認められる」とした。

 中村被告は公判で収賄罪について大筋で起訴内容を認めていたが、途中で現金授受の「日時と場所が起訴内容と異なる」と重要部分で供述を変えた。検察側は公判終盤に起訴内容の変更を申し出たが、地裁は許可しなかった。梶原、梅崎両被告は「賄賂を渡していない」と主張していた。

 一方で、判決は昨年2月に覚醒剤事件で取り調べた指定暴力団福博会系組幹部の供述を誘導して処罰を免れさせたり、別の同会系組幹部に組事務所への家宅捜索の予定を漏らした、と認定した。

 中村被告は福岡・東署薬物銃器対策係長だった昨年3月20日ごろ、梶原被告が関与した恐喝事件で被害届が出された情報などを教えた見返りに同署駐車場の車内で、梶原、梅崎両被告から10万円を受け取ったなどとして、起訴されていた。【山本太一】

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