楽天日本一セール不適切表示問題 業者「毎回審査してるはず」
楽天日本一セールの不適切表示問題で、FNNは今回、いわゆる「勝手セール」を行ったとされる業者を独自取材した。送られてきた突然のウェブサイト閉鎖の通告。しかし、楽天とのメールでは、勝手セールとは思えないやり取りもあった。
プロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一を記念した楽天日本一大セールで、およそ20店舗の1,000商品に不適切な価格表示があった問題。
これまでにiPhone 4Sの通常価格を43万円以上に設定し、77%割引きで販売したケースや、大根5kgの定価を1万1,125円としたケースなどが判明している。
さらには、鳥取県の業者が販売したスルメイカ10枚セットは、通常価格1万7,310円を3,980円に値下げとしていたが、ほかのネット通販では、通常価格を9,800円と表示していたことが発覚するなど、通常価格を不当に引き上げ、大幅値引きをしたかのように見せかけた疑いが持たれている。
甘利経済再生担当相は「優勝セールでも、ネット主催者自身が迷惑している。そういう不届きなものが出ると。ネットを進展させていくために、安全をしっかり確保するのは質すること」と述べた。
食品偽装問題が相次いで明るみになる中で、新たに発覚した割引偽装の疑惑。
楽天市場の利用者は、「いっぱい(値段が)引いてあると思っていたのに、裏切られた感じ」、「『セール』とうたっているところで、セールではないなんて、言語道断」などと話した。
消費者の不信感が高まる中、7日の決算会見で、楽天の三木谷社長は、「正式な日本一セールについては、厳正なる審査をしていたが、それに便乗する『勝手セール』をやっている店舗があった」と語った。
楽天によると、セールに出店するためには、事前に商品を登録し、楽天の審査を受けることが必要で、今回の優勝セールの公式な対象商品は、およそ8,000店舗の506万点。
ところが、今回、不適切な価格表示を行ったおそれのある、およそ20店舗は、いずれも楽天の審査を受けていない「勝手セール」をしたとされた。
7日、楽天の高橋理人常務は「申請を正式に受けず、店舗独自の判断でセールをしていたケースがあった。不適切な価格で販売された事実があれば、当該店舗のページの即時停止をやろうと」と話した。
8日、勝手セールを行ったとされた業者が取材に応じた。
楽天から業者に届いたメールには、「イーグルスセール概要です。今回も77%オフ商品を大募集いたします」とあった。
10月、楽天から、優勝セールへの出品の勧誘を受けた業者は、申請するとメールを送った。
楽天からの返信メールはなかったが、これまでのセールでも返信はなかったので、特に疑問は感じなかったという。
しかし、不適切表示の問題の発覚から一夜明けた7日、「一旦出店停止の措置を講じさせていただきました」とのメールが届いた。
楽天は、突如、この業者のページを閉鎖。
業者は、「消費者を困惑させて申し訳ない」としたうえで、「楽天は、割引商品を募集するときに、毎回審査をしているはずで、それをきちんとしていれば、今回の問題はなかった。ウェブサイトを閉鎖され、仕事がなくなり、困っている」と話している。
問題があったとされるおよそ20店舗、1,000商品は、今も消費者に公表されていない。
問題のあった商品について、半月をめどに調査を完了させ、公表するか検討中としている。
取材した業者によると、申請をしても返信がなかったという。
三木谷社長が言った審査というものは、行われていたのか。
一方で、三木谷社長は6日、市販薬のインターネット販売について、一部制限する政府の方針について猛烈に抗議をして、「時代錯誤も甚だしいというか、笑っちゃう話で、インターネットこそ、安全に薬が販売できる販路であると。むしろ、対面の方が危ないんじゃないか、このように考えておりまして」と話していた。
ここで、問題になってくるのが、「勝手にセールをしていた」という発言。
つまり、勝手にセールをするようなことを許してしまう枠組みの中で、やっているということになる。
果たして、勝手にセールをすることができてしまうような市場で、医薬品を安全に販売することができるのか、疑問を感じるところとなっている。