UPDATE 2-来年の成長率予想を下方修正、追加利下げを排除せず=豪中銀金融政策報告
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[シドニー 8日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は8日発表した金融政策報告の中で、豪ドル高と鉱業投資のより急激な鈍化の影響を考慮し、2014年末までの成長率見通しを下方修正した。また、必要な場合は政策金利を過去最低水準である現在の2.5%から一段と引き下げる可能性を排除しない姿勢を示した。
中銀は、国内総生産(GDP)伸び率見通しについて、2014年末までは2─3%とし、これまでの2.5─3.5%から引き下げた。ただ、2015年は従来予想通り2.75─4.5%に伸びが加速するとした。
インフレについては十分に抑制され、今後数年の基調インフレ率は引き続き2─2.5%で推移すると予想した。
中銀の報告書は「向こう1年の成長率がトレンドを下回るとの見通しについて、鉱業投資の大幅な落ち込み、予定されている財政緊縮、豪ドルの高止まりを反映している」とした。
中銀はまた、石炭セクターへの投資予測の見直しを受け、特に2014/15年の鉱業投資の見通しを下方修正したと説明した。
中銀は、鉱業投資をめぐる多くの不確実性を指摘する一方、非鉱業セクターの投資は短期的に抑制された後に持ち直す見込みだとした。
また、豪ドル相場の動向が経済成長見通しを左右するとし、均衡の取れた経済成長に向けて豪ドルの下落が必要になるとの見方を示した。報告書は「豪ドルが下落した場合、経済成長は予想よりも早期に加速し、当面はある程度の物価上昇圧力が生じるだろう」としている。
ただ、今後1年ほどは豪ドルが現在の水準で高止まりする可能性があると指摘。主要経済国での金融刺激策の縮小が豪ドル下落を助ける可能性がある、とした。
輸出量は大幅に増加し、鉱山投資の落ち込みを補い、今後数年のGDPの伸びに大いに寄与するとの見通しを示した。
金融政策については、これまでの利下げは奏功しており、今後も効果が表れると予想。刺激策の効果は住宅市場で顕著で、住宅価格の上昇加速、借り入れの増加、建設指数の伸びに表れていると指摘した。
報告書は「当面の成長率はトレンドをやや下回ると予想されるものの、資源セクター以外の民間需要は徐々に拡大していく見通し」だとした。
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