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みのもんたの番組降板は「原子力ムラの陰謀」と言う菅直人元首相の重症度

週プレNEWS 11月8日(金)10時0分配信

菅直人元首相の公式ブログから目が離せない。以前から反原発に関する記事でばんばん飛ばし続けてきた菅氏だが、10月26日に更新した記事「みのもんた氏に対する陰謀説」の内容は、まさに“K点越え”だった。

まず、みの氏の報道番組降板について“みの氏が原発問題で東電や安倍総理を厳しく批判していたため、原子力ムラが陰謀を仕掛けたという説が流れている”との陰謀説を紹介。さらに、原子力ムラはマスコミに莫大な広告料を支払っているので影響力を持ち、批判的な報道には圧力をかけてくるものとした上で、「原発ゼロ実現のためには、原子力ムラのマスコミ支配をまず打ち破らなくてはならない」と締めくくっているのだ。

そもそも、みの氏の降板理由は日本テレビ社員である次男の窃盗容疑での逮捕と、みの氏本人のセクハラ疑惑だ。まさか、次男に窃盗をさせたり、みの氏にセクハラ(と思われかねない行動)をさせる力が原子力ムラにあるということなのか? 全国紙の原発関連担当記者に聞いた。

「本当にどうしちゃったのか(苦笑)。ネタにマジレスするのもなんですが、菅さんの言う『原子力ムラによるマスコミ支配』が、具体的に何を指しているのかわかりません。少なくとも自分が取材をしたり、記事を書く上で、圧力をかけられたことはありません。むしろ、ある記事ではデスク判断で、より反原発に近い内容に変えられたことはあります。いずれにせよ、われわれの記事内容に原子力ムラなるものが影響を与えることはないです」

週プレも過去に何度も原発について厳しい記事を載せているが、残念ながら(?)原子力ムラから圧力がかかったことはない。

なぜ、元首相ともあろう人が、公式ブログで陰謀論を振りかざすのか? 週プレは菅氏の事務所に取材を申し込んだが、「ブログで書いていることがすべて。取材に応じるつもりもない」(菅直人事務所の担当者)との返答。言いっ放しか……。
そんな菅氏だが、実は「みの氏に対する陰謀説」をアップした2日後、米国のリベラル系インターネット新聞『ハフィントン・ポスト』に、原発に関する英語の記事を署名入りで寄稿している。

ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏はこう語る。

「こちらも原発についての記事ですが、原子力ムラや陰謀論の話は出てこず、理路整然と論理展開している。欧米のエコロジストが共鳴するような内容で、それでいてとても現実的です」

記事の最後のほうでは、次のような内容が書かれている。

〈太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーを用いることで、人類は原子力に依存せず、エネルギーを十分に取得できます。(中略)すべての国家が新技術の開発に真剣に取り組めば、50年後に人類はすべてのエネルギー需要を自然エネルギーでまかなうことができると私は信じています〉

前出のロバートソン氏が指摘する。

「欧米向けには50年後の脱原発、脱化石燃料という現実的な数字を掲げていますが、日本人向けには原子力ムラだの陰謀だの言っている。同じ人が書いたのか、疑わしいくらいです。菅さんの支持者はこの二面性をどう見るのでしょうか。『50年後に原発のない世界』って、今の菅さんの支持者からすれば遅すぎるでしょうし、安倍首相でさえも納得できそうな目標設定ですよね」

そんななか、菅氏は10月30日の公式ブログで「(原子力ムラの陰謀で)今も山本太郎氏がドラマ番組から干されている」との爆弾を再投下。相変わらず、日本向けには陰謀論押しのようなのだが……この人、本当に大丈夫か?

(取材・文/コバタカヒト[Neutral])

最終更新:11月8日(金)10時0分

週プレNEWS

 

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