最近面白いなぁ、と思っている「体調わる子の毒吐きブログ」に「ブロガーはメンヘル」という記事が。「メンヘル(メンヘラ)」は「メンタルヘルスを病んでいる人」くらいの意味合いのネットスラングです。
書くという癒し
ブログを書いている人がある意味で「病んでいる」というのは、自己点検してみてもよくわかります。ぼく自身、特にサラリーマン時代は、何か嫌なことがあるとブログに「逃げ」ていました。
ブログというのはすばらしいもので、何かマイナスの経験をしたとしても、それ自体を「ネタ」として昇華することができます。たとえば上司から信じられないような暴言を吐かれたら「上司の口癖(ブラック企業編)」といった記事をつくればいいのです。こういう記事はかなり受けますから、そのうち暴言を受けるたびに「これ、美味しいネタだな」と思えるようになります。これは誇張とかではなく、本当に。
同時に、暴言を受けて傷ついた心もまた、書くこと、そして読まれることによって癒されます。理不尽な怒りは、言語化することによって幾分沈静化されます。また、読者から共感の声を得ることによっても、心のバランスは正常に傾きます(炎上してかえって心乱れることもありますが…)。
ぼくは今もこうして、書きながら癒されている自分がいることに気づきます。
書くことって、今風にいえば「デトックス」なんです。自分の中に溜まったいい知れぬ感情を、言語化することによって、納得・解釈できるものに変えていく。その解釈が正しいかはわからないけれど、すっきりするのは確かです。そして自分を透明にして、また今日に立ち向かうことができる。
大江健三郎氏は、障害を持つ自身の息子の音楽について、このようなことばを残しています。
そして、かれの音楽を聴けばいかにもあきらかなことですけれども、そういう苦しいもの、悲しいことをかれは表現しているが、そのように表現すること自体に、かれ自身が癒されている、と私はいいたい。
表現する当人が、そのように自分を表現したことで恢復しているところがあると私は思うわけなのです。それは、表現された者を受け止めてくださる人にとっても、同じではないのか、とさえ感じるのです。これが芸術の不思議さだと、私は呼びたいのでもあります。
大江流に表現すれば、ブログを書くこと自体に、ブロガーは癒されています。ブログを執筆する当人が、そのように自分を表現したことで恢復しているのです。
ぼくは、辛い環境にある人にほど、ブログを書いてもらいたいと願っています。それが難しいことであるのはわかっておりますが…。きっと、傷を癒し、自尊心を取り戻す機会になると思うんですよね。