田村憲久厚生労働相が、公職選挙法違反の疑いで強制捜査を受けている医療法人「徳洲会」グループの幹部と、今年5月に東京都港区の料亭で会食していたことが、関係者の話でわかった。田村氏は8日の記者会見で、「記憶にない。いずれにしても大臣規範にのっとって適切に対応している」と説明した。

 徳洲会に対しては、東京地検が9月に公職選挙法違反の疑いで強制捜査に乗り出した。徳田虎雄・前理事長の息子の徳田毅氏が当選した昨年の衆院選での運動が捜査対象になっている。

 複数の関係者の話では、田村氏が参加した会食には、徳洲会が参院選に向けて支援していた園田修光・元衆院議員(7月の参院選で落選)のほか、当時は徳洲会の副理事長だった鈴木隆夫理事長ら4人の幹部もいた。徳洲会が厚労省と協議中の先進医療や園田氏の選挙などが話題になったという。

 会食は8日の一部報道で表面化。田村氏は閣議後会見で「いろいろな会合に出ているので、すべて覚えているわけではない。徳洲会の幹部と深いつきあいはない」と述べた。同日の衆院厚生労働委員会では、野党から事実確認と報告を求められ、委員会の理事会で協議することになった。