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【江戸東京 町歩き】

演歌好きは大集合!<錦糸町 南口>

楽天SocialNewsに投稿!
2013年11月7日 掲載
「つらい時、悲しい時は歌を歌え、って言うでしょ。歌番組はなくなっても、歌はなくならない」

「セキネ楽器店」の関根正巳さんの言葉にジーンときてしまった。
 この店は、南口を出てすぐ目に入った。遠目にもカセットテープが店内にびっしり並んでいるのが分かる。

 引かれるものはあったのだが、間口が狭くて入りづらく感じ、その時は通り過ぎた。
「ハンバーグもトンカツも全品200円」と知人から聞いていた弁当屋はシャッターが下りたまま。風俗店や飲み屋が並ぶ牡丹橋通りは、平日の昼間とあって迫力はイマイチ。「ここのラブホは最高」と前出の知人推奨のバリアンは、正午の光の中では物寂しく見えた。

 錦糸町はやっぱり夜に限るね、と駅前に戻った時、「あの店をよく見ないで帰るのは嫌だな」と強く思い、セキネ楽器店に思い切って入った。

 店頭の棚に古い映画のDVDが少しあるが、店内は演歌一色。
「演歌はテレビに出ないからすたれただろうと言う人がいるけど、そうじゃない。ラジオがあるでしょ。それを聴いて、買いに来てくれるお客さんがいるのね。最近の若い歌は音だけで聴く感じだけど、演歌は歌詞も曲もいい。年を取っても聴ける。カセットテープの方がCDより音が柔らかい。CDは金属音が高いからね。つらい時に聴くなら、やっぱりねぇ……」

 電器屋、レコード屋、演歌専門店と変化して64年。関根さんの静かだけど熱い話を聞き、演歌のカセットテープを買おうかとも思ったが、残念ながら我が家にあるのはCDとレコードのプレーヤーのみ。前から欲しかった山本富士子主演の映画「女は夜化粧する」を購入し、店を出た。

 演歌好きは、錦糸町へ集まれ。
【世田谷散歩人 和田町夫】

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