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トップページ > 神代ふみあき書庫 > 非赤松椎名系作品 > フレデリカとゼロ魔 > 第八十五話 妹が生まれて・・・
妹、生まれましたw
ほぎゃーーーーー、と盛大な声を上げた妹の産声は、雄叫びとも言える勢いで周囲に響き渡った。
その影響でいくつかの団体が撤退し、そしていくつかの団体が体勢を立て直して突撃体制になった。
生まれる前に妹を亡き者にしたかった勢力が撤退し、リステナーデの血脈を奪おうとする勢力が力を入れたわけです。
外では魔法騎士団やら傭兵やらが入り乱れた大戦争状態なのですが、屋敷の中は静かに、そう、静かに歓声が上がっています。
たとえば、ルイズを筆頭に女友達連合が代わる代わる妹を抱き上げていますし、僕と羽入は母上の治療に集中していたりするのです。
さすがに高齢出産に近かった事もあり、色々と心配したのですが、無事生まれて良かったのです。
「ほら、フレデリカ。可愛い妹、抱いてあげなさいよ」
「ハイなのです」
産着に包まった、未だしわくちゃな妹でしたが、なんだかどこかで見たことがあるような気が・・・
『ふふふ、はーっはっはっは! やっと追いついたわよ、ベルン!』
ほぎゃほぎゃ言いつつ、そんな念話を飛ばしてきたのは、たぶん妹。
『驚いて声も出ないようね、ベルン。でも安心なさい。私が再びこの世界に閉じ込めてあげるんだからぁ!!』
ああ、そういうことですか、なるほど。
つまり、我が妹は「ラムダデルタ卿」と?
『あら、一目でわからなかったの? それは腹立たしいわね!』
いやだって、僕、本物のベルンカステルじないし。
『・・・・、へ?』
多分本物は、僕の御婆様で、その写し身として生を受けただけの、いわば駒ですよ?
『な、な、な、なん、ですって?』
ちなみに~、御婆様は既に他界してますので、そう簡単には追いかけられないと思いマース。
『た、た、た、謀ったわねーーーーーー!!』
はっははー、ルーズドックの泣き声は心地良いですねー。
『なかす、なかす、絶対あんたを泣かしてやるんだからぁーーーー!』
といいつつ、ほぎゃーと泣いてるのはラムダの方なのです。
『くぅぅぅ、何処までもベルンそっくりのくせにぃ!!』
というわけで、暫くは妹で遊べそうな感じを覚える僕なのでした。
『というか、なんで男なのよー!』
我が家で妹出産の報は、某所でも吉報でした。
何しろ、羽入大明神の予言に間違いなし、とわかったわけで。
ヴァリエールでは長男出産を控えた大騒ぎが発生しているのです。
今から杖やら馬具やら部屋やら教師やら、もう、気が早すぎる話で。
ともあれ、年の離れた弟の出産には複雑な心境の様子のルイズ。
「・・・やっぱり、弟と甥っ子が同い年って、不味いかしら?」
考えるところが姉妹そっくりなのが寒気ものです。
というか、ケイイチ曰く、向こうでもその辺を狙っているらしく、日々戦々恐々としているそうなのです。
でも、ケイイチ、やっちまってもいいと思うのですよ?
「梨花ちゃんからその台詞は聞きたくなかった」
「僕も立派な男の子なのです」
「あー、まー、理解はしてるけどなぁ・・・」
もしかして、あの頃の僕にトキメイテいた記憶でもあるのですか?
あったのなら言って下さいね?
その記憶がなくなくなるまで殴ります。
「梨花ちゃん、その言われようは酷いんじゃないかな? 少なくとも多様なループの中で、ただ唯一の男のループなんだろ、ここ。絶対数は女だし」
・・・ケイイチ正直に言うデス。
梨花ちゃんなら男でもいいや、とか思ったことはないですか?
「いやいやいや! おれ、美脚派だから!! 幼女趣味じゃないから!!」
一応信じるのですよ? 信頼を裏切ったら・・・
「裏切ったら?」
「魅ぃたちにチクるのです♪」
「勘弁してください」
全面降伏のマエバラ卿。
「でも、本当なのですよ、ケイイチ」
「何がだい?」
「エレ姉さまは、早々に主婦になるべきなのです。そうすれば子育て的に楽なのですよ、母乳的に」
「そりゃ梨花ちゃんだって似たようなもんだろうが」
「うちは、さすがに在学中妊娠は避けますです。あと禁断の教師と生徒関係とか、やばいのです」
某土系トライアングル、でも体型は丸という女史が、生徒に向けてターゲットオンし始めたのです。
やはり、業界の勇であり、不落の一角と思われていたエレ姉さまが婚約なさったのが大きいみたいなのです。
ああ、怖い怖い。
さらにいえば、それを落としたケイイチなんか、業界の勇者扱いですし。
「あ、そういえば、ケイイチ。外のゴミはいいのですか?」
「御義父さんが、自分の家の軍の演習にしたいと仰って、今休憩中」
母上を中心に女性たちは大騒ぎで、男連中は生暖かい視線で見ていられるのも、女性が多いからなのです。
まぁ、経験ある乳母や教師はいるでしょうが、リステナーデやヴァリエール、そしてマエバラ卿の子供を誘拐するなんてバカは少なくないはずなので、できるだけ自分たちで育てる必要があると思うのですよ。
「・・・あ、それもそうか。うん、じゃ、養育の里みたいなの作るか、梨花ちゃん」
「いいアイデアなのです! それでいくのです!!」
というわけで、未来的には多産の貴族となることが決まっている僕とケイイチは、狭い居城なんかじゃなくて、もっと大きな範囲で育てたいと思ったのです。
「「そう、まるで雛身沢みたいな!!」」
声のそろった僕たちを、怪訝そうに見つめる女性陣。
いいのです良いいのです、男には男の愛の注ぎ方があるのですから。
(2,129文字)
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妹様誕生おめでとー!
これからも執筆頑張って下さい。
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