第八十四話 「国際包囲網」がうまれて(OTR版)フレデリカ
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お待たせしました!!
フレデリカとゼロ魔、OTRの開始です!!
驚いたら駄目なんですよ?
本当に驚いても、表したら負けなのです。
それが貴族というものなのです。
テーブルの下で手の甲をつねられても、表情を崩せば負けるのです。
ですが、これは、もう、無理なのです。
~ティファニア=オブ=モード と フレデリカ=ベルンカステル=ド=リステナーデ の 婚姻を進める
お空の上の御花畑と、うちの御花畑連名できやがったのです。
いや、確かにうちの婚約者に「エルフ」はいませんがね。
でも、復活したばっかりの公家をメンドクサいから他国に売り渡すなってのですよ!!
本気でくびり殺したろか、とか龍便で送ったところ、バカップルが船乗ってやってきやがりました。
・・・マチルダ=オブ=サウスゴータを連れて。
「なんだい、うちのテファじゃ格が足りないっていうのかい、え?」
「そういう話じゃないのですよ!」
「だったら、なにが足りないってんだい、持参金かい? いくらだって出すさ! ・・・チューダ家が」
「ぐはぁ!!」
すごい勢いで血を吐く天空御花畑。
ざまぁーないのです。
「とりあえず、婚約者たちに許可をもらえないと、僕だって頷けないのです」
「あら、そっちは全員許可を取ってるわよ?」
「・・・なんでさ?」
マチルダ・・・いや、おマチさんの持ってきた書状には、カトレア・ルイズ・タバサ・ベアトリス・・・って、いつの間に沙都子まで入ってるですか!?
「おやおや、ロマリア以外のブラットホルダー全部集めるって話だと思ってたんだけどね?」
思わず、そういうことなのですか?と視線を送ると、バカップルが視線を逸らしやがったのです。
このぉ・・・、阿呆が勝手に動きやがって・・・。
「あー、フレデリカ殿、そういう視線で王族を見るものではないと思うのだが?」
「ふ、ふ、ふ、フレデリカ? ほ、ほら、ね? そんな視線だけで殺せそうな、そんな目で見ないでほしいわ?」
くぅ、どう考えてもリステナーデの血脈、と言うか僕との子供をガンガン作って、王族の血脈の強化をしようとしているのが見え見えなのです!
こんな話が来れば・・・
「フレデリカ! 私も仲間に入れてもらうわよ!! ほら、アル閣下からの推薦(ゴリオシ)状よ!!」
ほらきた、予想通りなのです。
で、見せられた書状も「おいおい、リカちゃんや。俺にも一枚かませろや、つうか、娘か息子一人で手を打つからな?」とか書いてあるし。
まぁ、アル閣下は思いっきり実利主義なんで対応は楽ですが、この一件に関しては引くしかない状況です。
「ふっふっふ~、逃がさないわよぉ、フレデリカぁ?」
くぅ、それもこれも、全部・・・・
「うわ、なんだい、この殺気」
「・・・さすがに私も引くわね」
「「・・・・あわわわわわわ」」
ええーい、それはドコカの世界のロリ軍師の決め技であって、御花畑カップルに似合うせりふではないのです!!
というわけで、いろいろと吐いて貰うのですよ?
単純な話ではなく、結構重い話だったんです。
現実の話、僕は魔法ちーと。
で、古き血筋のガリアやトリステインとだけ親交を深めるのは問題だということなのです。
そこでゲルマニア、アルビオンの血脈とも交わらせ、国家間の姻戚関係をリステナーデ経由で行おうという計画みたいです。
これについては現当主である父上や母上も承認している話だとか。
僕は聞いていませんが。
「だって、ふぅちゃんが聞いたら、絶対力技で自分の思いように変えちゃうでしょ? これは私たちが生きる世界の中で大切な、それでいて汚れた話なの。ふぅちゃんには全部きれいにしてから渡しますからね?」
母上の愛に、全僕号泣なのです。
「まぁ、単純に簡単に娘が増えてうれしいだけだがな」
父上、いまこの場での真実はうれしくないのですよ。
そんな会話をしているのも、そろそろ母上が生み月になったから。
水の属性の最高峰とはいえ、自分で癒すことはかなわない母上のために、出産補助で僕と羽入が実家にやってきていました。
父上も「愛しい娘の出産だ。絶対に立ち会う、そして一番にキスをする」と言い張って、半月ほどの休暇を取りやがったのです。
明日にも生まれるという話を聞いて、自称お嫁さんクラブのメンバーが集まってきていて、いろいろと母上の世話をしてくれているのはうれしいのですが、すでにキュルケもお嫁さんクラブ入会を果たしていたのでした。
「「「「「「義母様、がんばってください」」」」」」
好並んでいるのを見ると壮観なのです。
圭一の三人なんて甘かったのですね。
僕は、こう、なんというか、こんな状況になるとは思っていなかったのです。
本当ですよ?
これでは三国英雄物語のTS版みたいな状態ではないですか。
というか、そういう話を書きませんかぁ?なんて誘いまであるのが泣けるんです。
ハーレムじゃないのです、ハーレムじゃないのです!!
これは一種の運命の輪。
閉じられた円冠の人生の一部なのです。
ああ、本当に僕は呪われているのではないのでしょうか?
・・・いや、祝福されている、のでしょう。
あの、駄神、押しつけられた神格に。
「・・・? りか、僕を見つめて何か用なのですか? ・・・まさか、僕にときめいてるのですか?」
もちろん、答えは懲罰キムチ。
「か、か、辛いのですからいのです、目にしみる辛さが鼻を通って耳まで届く勢いなのです!!!」
涙の元までカプサイシンしてやるのです。
フレデリカ、ブレないわねぇ。
いつものようにフレデリカと羽入のじゃれあいを余所に、私たちは未来の母親の世話をしていた。
出産、女であることの証であり晴れ舞台ともいえる。
すでに長男出産を終えているリステナーデ婦人は、今度は妹の出産をなさることになった。
この出産にはいくつもの視線が絡み合っており、出産と同時に誘拐などと言う話すら飛び交っている。
何しろリステナーデ、フレデリカの妹。
魔法の才能は最低でも一属性スクエアー確実と言われており、その資質だけでも没落貴族にとっては喉から手がでるほどにほしいものだった。
で、加えるに、ここ数年以内に生まれるであろう私たちの子供も恐ろしいまでに注目されている。
というか、「よこせ」呼ばわりしているバカも少なくない。
もちろん、フレデリカの嫁候補である私たちの大半は王族に連なる存在なので、その辺の権力者では手がでない状況ではあるし、結婚する前の段階で、フレデリカの爵位上昇は決定されている。
正直、かなりのバカじゃない限り手を出そうとは思わないはずなんだけど、やっぱりバカは少なくなかった。
フレデリカの実家、リステナーデ本宅を警備する三国連合軍近衛部隊やマエバラ卿のお話だと、非合法メイジや軍人が多く襲撃をかけてきており、そのすべてが撃退されているという。
実は警備員の中にも裏切り者が居たそうだったが、警備対象とその目的を知ったとたんに再度裏切り、敵対組織の情報をベラベラしゃべり始めたとか。
聞けば、物語ファンで、まさかリステナーデに仇なす仕事とは思わなかったそうだ。
とりあえず、最新刊の「始祖みて」で買収できたほどなので本物だろう。
「キュルケ、警備はどうだった?」
「さすがに鉄壁ね」
「・・・でも、望遠すると、二つ向こうぐらいの森に、結構居たわよ?」
「ほんと、ルイズ?」
「うん、一応、マエバラ卿とお父様には伝えたんだけど」
あー、あの最強ツーマンセル。
土系統で恐ろしい戦果を挙げるヴァリエール閣下とマエバラ卿の最新の戦果、聖堂騎士団壊滅戦はハルケギニア中で有名。
あの二人が武器を構えて出て来たとなれば、普通の傭兵なら逃げ出すわよね。
軍でも、まぁ、兵は逃げるわ。
将が逃げても、まぁ、叱責はあっても処罰はないわよ。
なにしろ、あの「カリン」扱いですもの。
逆に相対して生きて帰ったていう誉れになるかもしれないわね。
「・・・あ、ケイイチから・・・、うん、わかったわ。・・・というわけで、聖堂騎士団の残党と変態同盟は押さえたって」
割と残っている聖堂騎士の残党は、過去を懐かしみつつブリミルの名を掲げて恐喝を繰り返すため、国家間の処罰対象になっている。
加えて、なぜか多国籍犯罪組織「読占会」という変態集団が、フレデリカやマエバラ卿を狙って、幾重にも誘拐騒ぎを起こしている。
今回はその二組織が手を組んだようだった。
「二人とも、そろそろ義母様の出産ですよ?」
「「はい」」
カトレア様の声に、私たちは答えた。
お久しぶりのフレデリカでした。
3.15や7.20を超えて、それでも書きたいという意思がほとばしる作品ですので、これからもよろしくお願いいたします。
(3,445文字)