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第七十六話 「口先の魔術師」が生まれて

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内容が、あっちこっちに移動しているので、タイトルに迷いましたw
第七十六話 「口先の魔術師」が生まれて

 アンリエッタ王女主催と言うことになっている騎士と騎獣のお見合いは、順調に終了した。
 さすがに騎士の方が多いので、騎獣が全部成立しても黄昏た人も少なくないけど。
 それでも、これだけの人が騎獣にあぶれていたのね。

「まぁ、さすがに全員分の騎獣をそろえる予算なんかありませんし」

 さらっと気軽なことを言う枢機卿。
 ・・・もちろん、献上に対する対価はいただけますよね?

「ルイズ=フランソワーズ。今、この場では無粋と言うものですよ?」

 いやいや、このままだと、勲章の一つと先先代の王の絵か何かを賜ってオシマイって事になる流れですよね?

「・・・まさかぁ・・・」

 あ、視線そらした、このじいさん。

 これだから安心できないって言うのに、ケイイチなんか「絵画か、あの町の役所の正面に一枚ほしかったから、ちょうどいいんじゃないか?」とかいってるし!
 フレデリカですら「モエ絵だと格好が付かないのです。やっぱり偉そうな何かがほしいですね」とか笑ってるし。
 あー、もう!うちの男共は!!

 お母様がお父様とよく喧嘩している理由がよくわかったわ。
 これならお母様が怒る理由がよくわかると言うものよ。

「とりあえず、対価は式典の後でじっくりとお父様とお願いします」
「・・・うむ、とはいえ勲章と絵画はわたすしますぞ?」
「それが対価でなければ受け入れます」
「ぬぬ、手強くなりましたな、ルイズ=フランソワーズ殿」


 うちの男共が安心できないからよ!






 マンティコアから降り立った、ケイイチ=マエバラは、格好よかった。
 妹やフレデリカを姫扱いでペガサスからおろす姿に自分を重ねていたのは私ばかりじゃないと思う。
 この場に同席した、する事のできた貴族の子女がため息をついているから。

 姫への礼で二人を進ませたケイイチ=マエバラが不意にこちらをみた。
 そしてかれの表情が一瞬ゆるんだ。
 だらしなく、ではなく、見慣れた少年の顔で。
 私の周囲の貴族子女も息をのんでるから。
 でも、違うのよ、あなたたち。
 私が指でサインを送ると、彼も答えてくれたから。
 ふふふ、あなたたちの王子様は、あなた達を見ているわけではなくてよ?

 決闘では母と引き分け、騎獣としてマンティコアを従え、そして優しげな笑顔の少年。
 彼が、彼が、我が妹が呼び出した私の、私だけの婿。
 もちろん、あれだけの男、人気がある。
 フレデリカの友人達もねらっているらしい。

 でも、それはいい。

 彼ほどの男ならば、彼ほどの仕事ならば、女の一人や二人いなければ回らないだろう。 私も仕事に生きた女だ。
 その辺を理解しないわけではない。
 でも、第一子は私にしてほしい。
 それだけ、それだけが守られれば彼の女でいられる自信があるから。

 もちろん、私一人のものになってくれるならいいけれど、フレデリカを見ていると、少なくとも自信がなくなる。

 ちょっと弱気かしら?

「エレノオールさま、お久しぶりです」

 はたと気づくと、私たちの見学席の前までルイズとフレデリカ、そしてケイイチさんがきていた。

「ケ、ケイイチさん。おひさしぶりですね」
「はい、またお時間をください。あなたのお話は実に楽しい」

 そんな風にいいながら、彼は小さく手を振ってその場を離れた。
 残ったのは、いわば弟と妹。
 ニヤニヤ笑いの気味悪い幼なじみ。

「エレ姉様?」「オエレノオール姉様?」
「なによぉ?」
「「べつに~」」

 っく、悔しくなんかないんだからね!!






 パーティーとか趣味じゃねえんだけどなぁ、とは思っていた。
 とはいえ、今回の献上品に対する歓迎と感謝の意味があるときいては参加しないわけには行かない。
 けどな、成り上がりとか地位を金で買ったとか誇りもなにもない貴族にあるまじき根性だとか、さすが平民はわかっていないとか・・・。
 あからさまに本人の前でいうなよ、な?

 確かに場違いだとは思っているし、成り上がりなのは解ってるけどな、これほどの嫌みっぽい口調で言われるとムカつくっての。

 さらにムカつくのは、これを言いに着ている貴族ってのが、梨花ちゃんやルイズが居ないのを見計らって言いに来てるって事だ。
 つまり、二人にゃかなわないけど、俺には嫌がらせが出来るって考えているって事だ。

  まぁ、みなさんには教えていただけるような事はないと思いますから、以降の関わりは一切ないと思います。ところで、関わりを切るために、皆さんのお名前を 改めて聞いてよろしいですか? いえいえ、もちろん、私が関わらないためには私の関係者、そうそう、この紋章に関わる皆さんに伝えさせていただきます。お や、なぜか顔色が悪いようですね、解りました、医者を・・・そうそう、そういえば私が関わっては申し訳ないので、誰かに呼びに行ってもらいましょう。この 紋章に関わらないことをこれから考えられる人に、ですが。

 真っ青を通り越して真っ白になってふるえ出す貴族様方。
 もちろん、俺の魔術は終わらない。
 さぁ、聞く耳があり、理解する頭があり、そして後悔する人生があるもの達よ、俺の魔術の中にハマるが良い。







 雑魚貴族のいじめに遭っているとルイズは言っていたのですが、僕は放置することにしたのです。

「なんで? ケイイチは確かに武勇に優れているけど、あんな腐った奴らの言葉に晒されたら・・・」
「そうよ、ケイイチさんの経歴に傷が・・・」

 まぁ、解っていないのは仕方ないのです。
 ともあれ、腕っ節は圭一の本来の戦場ではないのです。

「「え?」」

 驚くヴァリエール姉妹。

「そうだねぇ、そろそろ圭ちゃんの本気がみれるかなぁ」

 お、現れましたね、魅ぃ。

「ほんき、ですの?」
「はい、エレノオール様。ケイイチ=マエバラの本来の戦いの場は舌戦にあります」
「・・・ほんと?」
「はい、ルイズ様。そろそろ内部にたまった熱を吐き出す火山のような彼の言葉の波が聞こえるでしょう」

 それでも懐疑的な姉妹に僕はほほえみます。

「ルイズ、彼の二つ名は『口先の魔術師』というのですよ?」
「全く勇猛じゃないわね」
「でも、領主としては、必須の技能だわ」

 さすがエレ姉。いまから嫁視点なのですね、わかるのです。

「あ、始まったみたい」

 滑り出しは慇懃無礼、そして中盤でおそろしい現実を突きつけ、さらには追いつめられた事実をたたきつける。
 あの宮廷雀達が、さえずる王家に逆らえるはずもないし、縁など切られれば生きていく術を失うに等しい。
 未来永劫では解らないが、この段階で彼の影響力を見れば、簡単に出来ることなのだと即座に理解した彼らの全身から血の気は失せた。

「うっわぁ、ケイイチ、容赦ないのね」
「ええ、ルイズ様。圭ちゃんだったら、使えるものはみんな使うと思うと思いますよ? そうじゃなければ敗北するし、敗北すれば命が危ういって解ってるから」

 きゅっと目を細める魅ぃを、エレ姉が驚いたような視線で見る。

「・・・? 命、ですか?」
「そうなのですよ、エレ姉。このいやm二で溜飲を下げられなければ嫌がらせで暗殺、それが雑魚の手口なのです」

 ふう、とため息をついたのはルイズ。
 去年は国家間政争の隙間を走り抜けただけに、実感しているのでしょう。

「なるほどね、だから、自分に手を出すと、死ぬぞ、と」
「いいえ、違うのですよ、ルイズ。俺の機嫌をそこねれば、なのです」

 ここのポイントの上手さも圭一らしいのです。

「うーん、子爵の交渉能力ではありませんね」

 おおっと、御花畑登場なのです。

「ですが、それは卓を囲めば解る話ですな」

 枢機卿まで見物ですか。

「で、アンリエッタ様。そろそろ助け船を出さないのですか?」

 魅ぃの言葉に小首を傾げる御花畑。

「あら、マエバラ卿に助けはいらないようですが?」
「違います、姫。マエバラ卿の言葉に晒されている者達を、でございます」
「マザリーニ、私はいやよ、あんなゴミ。この機会に掃除しましょう」
「「「いやいやいやいや」」」

 御花畑の言うことも解りますが、あのてのゴミが居ると、バカを集めやすくて楽ですよ? そういう意味で残したのでは無かったのではないのですか?

「・・・もううんざりなのよ。出来もしない法案やありもしない罪の告発、バカな噂話と嘘の報告、絞め殺したいわ」

 うっわーと、僕たちですら引いてしまいましたのです。

「今からでもケイイチ=マエバラを宮廷で召し抱えたいぐらいだわ・・・・」

 やばい、マジの目です。
 これをテコにラ・ヴァリエールを王宮に引き戻すつもりなのですね。

「だめですよ、アン」
「・・・いい思いつきだと思うのですけど?」
「圭一の口撃で、文官の半分を沈めてもいいのなら、なのですが」
「・・・さすがにそれは困るわ」

 まぁ、そんなこんなしているうちに、雑魚貴族が泡を吹いて倒れたのですが、誰も助けに行きません。
 侍女や侍従ですら、だれも。
 説得力あったのです。
 さすが口先の魔術師!

「ねぇ、フレデリカ」
「なんですか、ルイズ」
「もしかして、ケイイチがフレデリカと共同著作している作品の名前を明かすだけで、事態は収束したんじゃないの?」

 なぜか僕の周辺は沈黙に包まれたのです。
 最近脳筋を卒業したのは本当ですね、ルイズ。

「・・・ルイズ」
「なによ」
「それは、秘密なのです。にぱー」
「あんた、心底腹グロね」

 それは、ご存じの通りなのですよ~。








 御貴族様が気絶して地面に倒れたのに、誰も助けやしない。
 ちょっと脅しすぎたかな、と苦笑いの俺だたけれど、騎士団が入場して流れが変わった。
 簡易な甲冑をつけ、マントをなびかせたイケ面達が、津波のような勢いで俺の周りを取り囲んだからだ。
 こりゃ、一戦を覚悟しないといけないかな、と気合いを入れたんだけど、全くの杞憂だった。

「マエバラ卿、あなたには最大の感謝を!!」

 実は彼ら、今回騎獣を得たという騎士達で、家柄や実績不足という上司の一方的な判断で騎獣を得られなかったという人間ばかりだというのが組織の難しさを感じないでもない。
 しかし、今回の見合いで解ったのは、内部や同僚で「彼に騎獣が居ないのはオカシい」とされていた騎士ばかりという事もあり、以後は見合いで騎獣を決めるべきとの話すら盛り上がっていた。

「あなたのおかげで、我らは生涯のともを得た!!」

 がっしりとした男前が、本気泣きですがりついてくるのは困ったけど、喜んでもらえるのはうれしいと思う。

「皆さんが、騎獣の心がまことに解る、真の騎士であることが、彼らに選ばれた本当の理由です。私が連れてきたなどと言う理由は些細なこと。あなた達の心に彼らは導かれたのです」

 俺のその言葉に号泣して膝をつく騎士達。
 なぜか会場が拍手にあふれた。

 ところで、そこで転がって、泡吹いたままのゴミ、誰か処理してくれないか?


すでに本作の圭一は「KEIICHI」ですので、スルーの方向性でw

お互いには表明していませんが、圭一と梨花はお互いの秘密を知っています。
ゆえに、二人は信頼しあっています。
これが梨花>乙女なら、圭一ハーレムになっていた模様。

 

(4,400文字)