シリア:化学兵器、全量国外へ OPCW主要国が合意

毎日新聞 2013年11月06日 15時00分

 【ブリュッセル斎藤義彦】化学兵器禁止機関(OPCW)の主要国は5日までに、シリアが持つ1290トンの化学兵器の全量をシリア国外に搬出して処理することで大筋合意した。複数のOPCW外交筋が毎日新聞に明らかにした。処理はアルバニアやベルギーが米国の要請を受け検討しており、数カ国が担う。護衛を付けた商用の化学タンカーなどを使って搬出し、米国の移動式処理設備数基を展開し処理する案が有力。OPCWは15日に廃棄案を最終決定する。

 シリアが先月24日に提出した化学兵器の「廃棄概要」で、内戦の危険や財政難から国外での処理を要請。主要国間でこの要請を受ける「コンセンサスができた」(外交筋)。OPCWのウズンジュ事務局長も、5日の声明で「シリアの提案による国外処理が最も実現可能な選択肢」と述べた。現在、詳細案を詰めている最中で、15日に開くOPCWの決定機関・執行理事会で決める。

 シリアの化学兵器は混ぜれば有毒ガスが発生する安定した「前駆物質」の形で全量が保管されている。OPCWは10月27日までの査察で化学兵器の量や場所を確認した。外交筋によると、化学兵器を軍事用で危険度の高いものと、民生用にも使える「デュアルユース」のものに分類。危険度の高い方を優先処理する。

 化学兵器をシリア西部ラタキアに集積。民間の化学タンカーを調達し国外に運ぶ。事故の危険は高くないが、テロの恐れがあり、護衛の船を付ける方向だ。

 処理先は米国が中心となって探しており、ノルウェーやフランスは拒否したが、ベルギーとアルバニアが「真剣に」検討している。2、3カ国が担当する見通しだ。ただ、難航の恐れもあり、処理先は廃棄計画とは別に決めるという。米国は大量の水と加熱で処理する移動式施設を数基持っており、各国に提供することを検討している。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

週刊エコノミスト

週刊エコノミスト

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

日報連

日報連