会計検査院:税金無駄遣い4907億円 12年度
毎日新聞 2013年11月07日 20時56分(最終更新 11月08日 13時19分)
会計検査院は7日、2012年度の決算検査報告を安倍晋三首相に提出した。税金の無駄遣いや不適正な経理などは630件、4907億4510万円に上り、過去3番目に多かった。
省庁・組織別のワースト1位は経済産業省の約1153億円。中小企業庁が全国の信用保証協会の財務基盤強化のために交付した700億円のうち1.6%しか使われていなかった。
個別案件では、法務省の不適正経理が約802億円で最も高額だった。刑務所や拘置所の改築工事で複数年契約を結んだのに、単年度でしか使えない予算を組む法令違反などがあった。
また、政府が11〜12年度に計上した東日本大震災の復興予算約19兆8949億円のうち23%の約4兆5305億円が今年3月末時点で未消化だったことが判明。特に津波被害が大きかった沿岸部の事業や、原発事故の除染作業の遅れが目立った。多額の公的資金が投入された東京電力も初めて検査し、国が事実上立て替えている原発事故賠償費用の回収に最長で31年かかるとの試算を示した。
法令違反などの不当事項は470件(約543億円)、無駄遣いの改善を求める改善要求と意見表示は77件(約3533億円)だった。検査院は来年度、生活保護など社会保障分野の検査に力を入れるほか、復興予算や東電の検査を継続する。【古関俊樹、神足俊輔】
◇指摘金額が多かった省庁・組織
件数 金額(億円)
(1)経済産業省 8 1153
(2)防衛省 13 1042
(3)法務省 9 810
(4)厚生労働省 279 387
(5)農林水産省 68 357
(6)日本高速道路保有 2 221
債務返済機構
(7)財務省 4 169
(8)NTT東日本 1 151
(9)日本郵便 1 112
(10)国土交通省 46 78