2013年11月7日03時00分
【田中啓介】戦後最悪の炭鉱事故となった福岡県大牟田市の三井三池三川坑の炭じん爆発事故の発生から50年にあわせた展示が9日から、大阪市中央区の大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)で開かれる。関西に移った元炭鉱マンの2世らが企画した。16日まで。
1963年11月9日、三川坑の坑道に積もった石炭の粉じんに、暴走した炭車の摩擦熱による火花が引火して爆発。死者458人、一酸化炭素(CO)中毒患者839人を出す大惨事となった。事故の教訓を伝えようと、父親が三池炭鉱で働いていた滋賀県彦根市の前川俊行さん(61)らが実行委員会を結成し、準備を進めてきた。
50年展「むかし炭鉱、いま原発」では、爆発直後に坑口から立ち上った黒いキノコ雲や同僚の担ぐ担架で運び出される遺体、CO中毒の後遺症に苦しむ患者らをとらえた写真などが展示される。前川さんは「石炭増産の国策の下、三井鉱山が人命無視の合理化を進めた末に爆発事故は起きた。国策の犠牲になった構造は福島の原発事故と重なる」と指摘する。
開場は午前10時~午後6時(15日は午後8時まで、月曜休館)。無料。問い合わせはエル・ライブラリー(06・6947・7722)。
おすすめコンテンツ