【ベルリン=松井健】独誌フォークス(4日付)によると、1930~40年代にナチス・ドイツがユダヤ人の美術収集家らから略奪し、第2次大戦で失われたとされてきた絵画約1500点がドイツ南部ミュンヘンの男性(79)の住宅から見つかった。ピカソやマティス、シャガールらの作品が含まれ、10億ユーロ(約1300億円)以上の価値があるという。

 同誌によると、ドイツの税関が2011年にこの男性の住宅を捜索して発見。男性の父親は略奪した作品の売却をナチスの高官ゲッベルスから指示された美術商で、戦後に「残った作品は空襲で焼かれた」と主張していた。男性はこれまでに数点の絵画を売却してきたとされ、脱税の疑いで捜査されている。税関当局は独メディアに対し、報道内容の確認を避けている。

 ナチスはユダヤ人から美術品を略奪したほか、ドイツ精神に反しているとみなした多くの芸術作品を「退廃芸術」と名付けて押収。見せしめで焼却したり、国外に売却したりした。