トランス脂肪酸:日本で「重要情報で含有表示を」の要望も
毎日新聞 2013年11月08日 12時32分(最終更新 11月08日 12時43分)
米食品医薬品局(FDA)が7日、「食品に使う上で安全とは認められない」として使用を段階的に禁じる方針を打ち出したトランス脂肪酸。トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニングなどに含まれ、それらを使った菓子パン、ケーキ、ドーナツ、シュークリームなどに多く含まれる。
内閣府の食品安全委員会によると、日本人の摂取量は1日当たり約0・4〜1・7グラムで、1日摂取エネルギーに占める平均的な割合は世界保健機関(WHO)の勧告基準の1%を下回る。ただし、菓子類を多く食べる30〜40歳代の女性や大学生の中に1%を上回る層があり、食品安全委員会は「日本人の平均的なリスクは低いが、菓子類の食べ過ぎは要注意」と呼びかける。
一方、消費者庁は、2015年春施行を目指して準備中の「食品表示法」で、加工食品でのトランス脂肪酸の含有量表示を義務付けるかを検討。栄養成分やアレルギー表示などに比べて優先順位が低いとして当面は見送る姿勢だ。ただ、同庁は一部の消費者団体から「健康にとって重要な情報」との声が上がっているため、食品表示法に盛り込むかは引き続き検討課題としている。【小島正美】