えー、本作の圭一は、「KEIICHI」なので、一応チートですw
どういうチートかというと、
・欠片の世界の自分の記憶がある。
・全てを成功した世界の先の老衰までの記憶がある。
・わりと勉強しているので、かなりの教養がある。
・・・オリ主だな・・・w
第五十五話「神話作家」が生まれて
前原圭一おそるべし、なのです。
萌え部門の執筆を任せたところ、爆発的な勢いで書き進め、途中挿し絵まで描いて見せたその才能にタマゲたのです。
最近は信じられないほど紙の質が上がっているので、細かな表現も可能になっていてスゴいのですが、印刷技術が殆どないので挿し絵は細かく描けなかったのです。
しかし、圭一は試作版画で挿し絵を作ったかと思ったら、猫の騎士団の練金班を巻き込んで単色の挿し絵だけ活版印刷を作ってしまったのです。
挿し絵は塗り絵風の主線のみで差し込むことにより、より娯楽性が上がったのです。
ただ、ソフトハーレムものが多いのが男性主体すぎるのではないでしょうか?
「甘いな、梨花ちゃん」
そういって引っ張りだしたのは、「エンジェリ○ク」と題された小説。
・・・逆ハーレムですかぁ!
「そうだ、梨花ちゃん。逆転は今まであっただろうけど、ここまで徹底していた要素はなかったはずだ」
流石ですね、前原圭一!!
盟友の名にふさわしい男なのです。
で、す、が・・・・。
「とりあえず、四冊作って様子見なのです」
「え? 馬鹿売れだろ?」
「いえいえ」
まずは異端チェックが先なのです。
別名イザベラ検査。
で、王宮にも突っ込まないとうるさい馬鹿がいるのでさらに一冊。
で、実家にも一冊送って出版見本にしてもらって、最後には宣伝用の「館」用。
「なるほどなぁ、中世ヨーロッパ状態が六千年も続けば、そうなるか・・・」
「めんどくさいので、宗教つぶすのが一番なのですが・・・」
「それはやめとけって、梨花ちゃん。生活や常識の一部に固着している宗教を潰したら何が起こるかわからんぞ?」
「むー、その宗教依存を何とかした言うのですよ」
「だから、物語依存に切り替える?」
「そこまでは乗らせませんが、宗教以外の価値観を浸透させたいのです」
「それって、異端ってやつだろ?」
「ぎりぎりアウトなのですが、審判もやってるので、お見逃し状態なのです」
「うっわ・・・賄賂より悪辣だな」
「格調高く、卑怯というのですよ」
こんな馬鹿話をしながら、圭一は僕とともに物語り量産をしているのです。
・・・授業時間中に。
すでにこの状態でも出席扱いの僕に、学院在籍の意味があるのでしょうか?
「あうあう、怪しげな人間からの逃げ場としては最適なのですよ~」
まぁ、いいんですが。
圭一自身もこの数日で、神話級の男子支持を得ているのですし、ルイズも使い魔を放任しすぎなきもしますが、放置していた方が結果がでる使い魔というのも微妙なのですよ。
「・・・・ん?」
ものすごい衝撃が教室から・・・。
「なー梨花ちゃん」
「なにも言わない方がいいのです」
「・・・とりあえずさ、俺の右目で見える風景が教室でさ」
「聞きたくなのです」
「先生が、ドリフの髪型に・・・」
「今すぐダッシュで見物にいくのですよ!!」
圭一にペーパーナイフを持たせて基本能力を上げて、僕は魔法でダッシュなのです。
リアルドリフコントとは、ルイズめ、僕の予想を斜め行き過ぎなのですよ!!
ひゃっはーーー
到着して後悔したのです。
ドリフはドリフでも・・・・・
「カトちゃんだったとは・・・・」
目の前で、ギトー先生だけ「カトちゃん」ヘアーに・・・・。
とりあえず、破壊されているのはギトー先生の背後の扉だけですので、たぶん、
「最強の系統を「風」だと言い張ったギトー先生に、「狙撃最強」をキュルケがあおって、教室内で実験。風の壁で防御したギトー先生だったけど、防御の内側で爆発が発生、ギトー先生以外無事、といったところですか?」
「「「「「おおおおおおおお」」」」」
正解みたいですね。
「えーっと、ギトー先生、生きてる?」
さすがに悪いことをしたという気持ちはあるみたいで、ルイズは杖で先生の頭をつつきます。
地肌まで真っ黒なくせに、頭頂部だけ一本残ってるのです。
あまりの「カトちゃん」具合に、圭一は撃沈してるのです。
「とりあえず、救護室に放り込んで・・・」
「みなさん、授業は中止です!!」
現れたのはコルベール先生。
なんかカツラかぶったり礼服ひっかけてたりしてるのです。
「本日は、トリステイン王国の花、アンリエッタ姫様が行幸なさられます! 授業を中止して姫様を迎えます!!」
瞬間、教室中が窓に向かって防御姿勢をとったのです。
「・・・梨花ちゃん、みんななにしてるんだ?」
「姫と言えば、プリンセスミサイル。トリステインの新常識なのです」
さすがに今日はプリンセスミサイルはなかったみたいなのです。
結構安心なのです。
さすがに今回はプリンセスミサイルがなかったと安心した私たちは、行幸にきた、いいえ、いらした姫様をお出迎え。
一斉に並んで万歳を繰り返している中で、馬車がゆっくりを通り過ぎる。
よく顔が見えるようにされた馬車の中で、姫様が笑顔で、よそ行きの笑顔で手を振っているんだけど、一瞬だけ視線が合おうと「にやり」と笑いやがった。
くそー、何か企んでるわね。
思わず苦々しい思いを押さえていると、隣にたつミスタ圭一が難しそうな顔をしている事に気づいた。
「ミスタ圭一。何か問題でも?」
「ああ、ルイズさん。ちょっと質問していいかい?」
「ええ」
「あの、今馬車に乗っていた人が、姫?」
「はい、トリステインの花とも呼ばれるアンリエッタ姫です」
「・・・そっか」
黙り込むように、しずみ込むような表情の圭一さん。
「圭一、なにが気に食わないのですか?」
「いや、うん、ちょっとあの姫さんの雰囲気が気になってな」
さすが賢者、目の付けどころが違う!
「なんかさ、自分の目的があって、それ以外興味なくて、その目的のために全部投げ出せる、そんな奴の目をしてた」
・・・鋭すぎですよ、ミスタ。
「誰かに似てるのですか?」
「鷹野」
瞬間、フレデリカと羽入さんが吹き出しました。
「にてる、にてるのです、ヤバいところがそっくりなのです・・・」
「リ、リカ、そんなに似てるですか?」
「迷惑なところとか、男に食いついたら離れないところとか、自分の妄想に固執して世界を巻き込むところとかソックリのですよ!!」
うっわー、共通の知り合いにそんな奴がいたんだぁ・・・。
フレデリカも結構不幸。
「・・・新たなる、運命の輪なのですか?」
「さすがにそこまで閉じてないけど、被害甚大は決定ルートなのです」
その被害の中心に私が居そうなのよねぇ・・・。
「ルイズさん」
「はい?」
「守りますよ、俺。だって、ルイズさんは俺のご主人様ですから」
ミスタ圭一って、結構かっこいい。
「ふーん、けいちゃんってば、そうなんだー?」
「へ?」
視線を向けた先には、汗ダクの女性がたっている。
剣呑な視線の先には、ミスタ圭一。
じっと視線を合わせていたミスタ圭一は、一度小首を傾げた後、急に目を見開きました。
「もしかして、魅音、か?」
不機嫌そうな表情も吹っ飛んで、彼女はニヤリと笑って倒れた。
「お、おい、魅音!」
「圭一、ゆらしちゃだめなのです。たぶん疲労による気絶なのです」
フレデリカとミスタ圭一に介抱されている女性を見て、なぜか胸の内が重くなった気がする。
なんでだろう?
園崎超特急、到着しました~
現地天気大荒れ、時々修羅場でございます~w