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第五十四話「再会と望郷」が生まれて

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えー、っと色々と再会しますw


第五十四話「再会と望郷」が生まれて

 授業開始前にそれぞれの使い魔の種族や能力の話になったとき、僕はこう答えたのです。

「種族は鬼族の亜種、名前は「羽入」。能力は飛ぶことと姿を消すことと、ご飯をどんぶり三杯食べることなのです」
「僕は、どこのオバQですか!」
「というわけで、つっこみも特技なのです」
「「「「「おおおおおお」」」」」」

 大いに感心されたのですが、羽入は教室の隅っこで「おやしろさまなのに・・・」と泣いているのです。
 なぜでしょう、羽入をいじると嗜虐的快感があるのです。

「私の使い魔になってくれたのは、東方の賢者「ケイイチ=マエバラ」。種族は、人間でよろしいかしら?」
「ええ、大丈夫で・・・」
「ちょっと待つのです!」

 割って入った僕に目を白黒させた圭一に僕は宣誓するようにいったのです。

「圭一の種族は「紳士へんたい」なのです!」
「おいおい、梨花ちゃん、ほめるなよ」
「「「「「おおおおおお」」」」」

 猫の騎士団を含む男子全員がリスペクト視線を送っているのです。

「なるほど、ミスタ圭一の特技はぼけ流し、と」

 キュルケ、着眼点はすばらしいのですが、それは特技じゃなくて技能なのです。
 そんな自己紹介が一通り済んだところで、教師登場でした。

 で、KY教師が「珍しい使い魔がいる」と揶揄したところで、猫大将が唸りをあげた。

「な、なんですか、この猫は・・・」
「猫大将は、我が友たちを嘲る者は許しはしないと言っています」

 圭一とは別の意味で紳士へんたいと名高いマリコルヌが珍しく、好みの範囲外というオプションがあったとしても、女性に冷静な視線と意見を向けていた。

「先生、僕も許せません。ケイイチ=マエバラは、短い瞬間でしかわかりませんでしたが、・・・勇者です!」
「「「「「勇者です!!」」」」」

 なぜか猫の騎士団絶叫。
 というか、エレ姉の婿候補ってだけで、これだけの尊敬を集めたのです。
 加えるならば、後日行われた御師匠様とのガチで神話マイストロジーにまで上り詰めたのです。
 そりゃそうなのですよ、猫の騎士団総当たりでできなかったことを、金属バット一本で成し遂げたのですから。
 僕も実はリスペクトしてるのです。

 そんなわけで、練金失敗というイベントは発生せず、和気藹々と教師ハブで盛り上がる教室なのでした。
 だって、いまさらなのですよ、このチート教室で練金なんて。
 できる奴らは皆ライン以上ですし、できない奴らもそれ以外ライン以上なのです。

 加えるなら、ギトー氏の授業も・・・・

「諸君、最強の系統魔法はなんだと思うかね?」
「「「「「烈風です」」」」」
「・・・そのとおりだ、風サイコー」

 なんというか、クラスメイトが覚醒し過ぎなのです。
 正直、自分ではどうにもならない力に対する理不尽を身にしみているものだから、平民に優しい貴族が大量生産されているのですよ。


 そんな、実に穏和な日常の中、彼女はやってきたのです。

「りーかーーーーー!!!!」

 飛び込んできたのは、ベアトリス嬢ことサトコ。
 どうにかねじ込んで、一年早く入学してきたのです。
 原作通り騎士団も同行しているらしいのですが、なぜか全員リーゼントなのです。
 これでは騎士団ではなく氣志團なのですよ。

 再会を喜ぶ僕たちの隣にたっったのは・・・

「梨花ちゃん、こっちの友達かい?」
「・・・・!!!!」

 声を聞いて固まるサトコ。
 ブルブルと震えながら、そしてゆっくりと視線をあげるとそこには・・・

「けいいち、さん?」
「あれ、あったことあった・・・いや・・・・」

 じっと見つめて、何かの答えを探る圭一は、ゆっくりと綻ぶ笑顔でいいました。

「さとこ、か?」

 滂沱の涙と笑顔で、サトコは圭一にしがみつき、大声で泣きながら圭一の名前を連呼して、今自分の感情が届くようにと、圭一にしみこむようにと擦りつけるのでした。

「ほらほら、沙都子。レディーなんだろ? かわいいレディーに涙はにあわねぇぜ?」

 胸ポケットから出したハンカチで沙都子の顔を世話する圭一は、本当ににぃにぃみたいです。

「圭一さん、再び出会えて本当にうれしいですわ」
「おれもさ、リカちゃんや沙都子に会えてうれしいしさ、召喚してくれたルイズさんもそのお友達も優しくてさ、何の不満もないんだけどさ・・・・」

 ゆっくりと、きゅっと沙都子を抱きしめる圭一。

「やっぱさ、二度と帰れねえっておもうと、結構キくなぁ・・・・」

 がたがたと震える圭一を、僕と羽入が抱きしめました。
 沙都子も、涙を流す圭一を誰にも見せないようにと小さな胸に隠したのです。
 それを見て絶望的な罪悪感を背負うルイズでしたが、それを飲み込むだけの度量があるようで、背筋を伸ばしていろいろと決意したようなのです。
 うん、これなら、トリステイン王族にルイズがなってもいいかもしれないですね。









 つかみ所のない少年、ミスタマエバラの涙を見て、少しだけ揺らいだ。
 借金だらけで良いところなしの領地、モンモランシだけど、そこに二度と帰れないなんて考えたら、背筋が凍った。
 召喚とは、使い魔の儀式とはそれを行っているのだと気づいたのだ。
 彼の涙を見て、私は思わずロビンに話しかけたい衝動をおぼえたけど飲み込んだ。
 少なくともロビンは応えてくれたと理解していたから。
 ミスタマエバラも、それなりに理由あっての召喚だとキいている。
 しかし、故郷に帰れない、両親縁者に会えないというのは想像を絶する。

 いや、昨今の世相を考えれば、簡単に発生する可能性もあるのだ。
 たとえば、フレデリカがおらず、王族を押さえる手綱が弱かったら?
 たとえば、物語外交が存在せず、各国との連携が弱かったら?
 たとえば、たとえば、たとえば・・・

 少なくとも国家に力がなく、戦渦に巻き込まれていたことは間違いないだろう。
 そして、二度と領地に、国に、両親に会えなくなったかもしれないのだ。

 しかし、戦争であるのならば、貴族である自分も関わることはできる。
 土地も両親も取り戻せる可能性がある。
 が、彼は、二度と帰ることができない。
 東方、それもエルフの領地の向こうなんて、行けるはずもないから。

 私は、愚劣にも同情で彼を見ている。
 みんなもそうだろう。
 でも、この場だけにしようと私は決意した。
 心から沸き上がる思いにはうそをつけないけど、同情だけで評価されたら、私もイヤだから。


ベアトリス様の外見を、某ベアトリーチェっぽくしちゃおうかと揺れていたのは秘密w

この作品では圭一ですが、原作でのサイトの絶望って、どのぐらいなんだろうと想像も出来ません。

 

(2,629文字)