2013年11月7日23時26分
メニュー表示と異なる食材を使う「食材偽装」が7日も次々と発表された。大丸松坂屋百貨店など大手デパートで見つかった事例には、テナントとして入る複数の有名飲食店が名を連ねる。ホテルオークラでも大量の偽装が発覚した。なぜ「偽装」は続いていたのか。
百貨店で国内2位の大丸松坂屋は7日、大丸と松坂屋9店に入る17の飲食店で、44品目のメニューに偽装表示があったと発表した。本多洋治・常務執行役員は都内で開いた記者会見で「メニュー管理をレストランの運営者に任せてしまっていたことが原因。誠に申し訳ない」と謝罪した。
大丸東京店と札幌店に入る天ぷら店「つな八」は、ホヤとコノワタを使った宮城県などの珍味「ばくらい」で、最終加工地が岐阜県の食材を使いながら「ばくらい 宮城」と表示していた。大丸京都店の中国料理店「黄老(おうろう)」は、高級な黒毛和牛などを使う「和牛」とうたったステーキが、外国種も含む「国産牛」だった。松屋、東武、東急の各百貨店と丸井も偽装表示があったことを発表した。
ホテルオークラは、運営する東京、神戸、福岡など全国13ホテルのレストランや宴会場などで、メニューと異なる食材を使っていたと発表。「芝海老(えび)」をめぐる表示に誤りがあったほか、牛脂を注入した牛肉を「加工肉」と表示しない事例もあった。販売数は計38万6千食、売上高は8億7千万円に上る。
同社は6月に問題を把握しながら、消費者庁への報告や公表を怠っていた。宇多憲治・上席執行役員は「もう少し早く報告すべきで、不見識だった」。
JALホテルズも、春雨などで作った人工フカヒレを「フカヒレスープ」に混ぜるなどの事例が、ホテル日航東京など13ホテルであったと発表した。同社は「調理部門が原価率を下げるために行った。偽装と言われても仕方がない」としている。
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朝日新聞社会部
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