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【放送芸能】「開運!なんでも鑑定団」1000回に お宝の主の夢に共感オープン・ザ・プライス−。視聴者の“お宝”の値段を調べるバラエティー番組「開運!なんでも鑑定団」は1994年4月に始まり、テレビ東京では12日の放送で通算1000回を迎える。長寿番組の舞台裏を探った。 ■狭き門陶器や掛け軸などの骨董(こっとう)品から人魚のミイラまで、多種多様なお宝が登場する。「うちのお宝を鑑定してほしい」と視聴者から寄せられる要望が番組を支えている。 応募は毎週、二百件ほど。六つの取材班があり、各班の担当者が十件ほどをピックアップして調査を進める。結果、スタジオに登場するのは各回三点だけという狭き門だ。 テレビ東京の岡田英吉副参事は「すごく価値があっても、エピソードが面白くないとテレビに向かない。総合的に判断し厳選している」と話す。 ただ、番組の鑑定額は実際の相場とは必ずしもイコールではないという。岡田副参事は「鑑定額は市場で売買するときの額ではない。その物の歴史や(所有者の)気持ちをお金に換算したら、ということです」と語る。 ■意外性中島誠之助さんや北原照久さんら各分野の目利きが真贋(しんがん)や価値を判定。その場で鑑定額を決めるのは当初から変わらない構成だ。 番組の魅力は意外性。押し入れで眠っていた物が数百万円の値打ちがあると分かるとスタジオは驚きに包まれる。一方、先祖代々受け継がれてきた家宝が“二束三文”と評価され、落胆する依頼人も。 億の値がつく物も出てくるが、偽物や価値が乏しい物まで面白く見せるのが真骨頂だ。島田紳助の後を継いで、二〇一一年から司会の今田耕司は、それが視聴者の興味を引くとみる。「偽物と知らずに、夢を見ながらお宝を持っている人はたくさんいる。偽物の方が人間模様が見えてくることがあるんです」 全国各地に赴き、鑑定するのも人気企画。自治体や商店街のイベントとしての依頼が多く、既に再来年の開催の打診も寄せられているほどだ。 自治体など受け入れ側が百人分のお宝の写真などを集めて、テレ東側に提供。鑑定する物はエピソードや郷土色を考慮して選ばれるため、「山を掘っていたら出てきた」などと、お宝の由来を誇張して応募する熱烈なファンもいるという。 出張鑑定は国内だけでなく、過去にはブラジルやハワイでも開催した。杉山麗美プロデューサーは「お国言葉にはテンポの良さがある。番組が続く限り、全国各地に行きたい」と意気込んでいる。 PR情報
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