第三十六話「はうー」が生まれて
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超絶かき混ぜキャラの参入予告!!
はーうーーー!!
※お詫び:前回クロスは「ひぐらし」だけと書いていましたが、一部違うことに気付きました。えー、訂正します。うみねこ出ません(^^;
第三十六話「はうー」が生まれて
「リィナァー」
「・・・・」
「リィナァー」
「・・・・」
「リィナァ。なんで無視をする?」
「わたしは、レナ。そういったよね?」
「それは君が自分で決めた勝手な名前だ」
「私はそう呼ばれたいんだよ!!」
少女、リィナァは、いわゆる夢見がちな存在だった。
学力も知識も全く問題ないが、発言や求める行動がバラバラだった。
その上、知識や学力を蛮族の研究に費やしている。
何とも嘆かわしい。
しかし、彼女の愛らしさのせいで、老評議会も彼女の問題行動を押さえられていなかった。
私も、婚約者がいるのだが、それとは別にリィナァを甘やかしている。
これは私ばかりではない。
みな、彼女には甘くなってしまっている。
「そんなに怒ると、この土産はなしだぞ?」
そう、これが、リィナァ最大の弱点にして我々がもっとも理解できない点だ。
「うわぁ!! 新作、新作だね!!」
そう、リィナァは蛮族の書物、それも「物語」と言われる「嘘」の話を好む。
私が以前「嘘」の物語に対する批判をしたところ、物理的に反撃されひどい目にあったものだった。
それも泣きながらだったもので、治療の魔法すら必要だったのに私の方が責められた。
実に不可解だったが、リィナァの周辺ではよく起こることなので、あきらめている。
「かわいいよ~、かわいいよ~」
ん~、とうれしそうに「物語」を抱きしめてくるくる回る姿は、幼子のような愛らしさがあり、周囲の目も柔らかだった。
「ありがとね、ビダーシャル♪」
うん、この笑顔のために蛮族の世界を巡るのも悪くはない。
「ああ! レナ、また一人だけお土産もらってるぅ!!」
ルクシャナか、やっかいなのに見つかったな。
あの蛮族研究家を気取る姪っ子にも困ったものだ。
「私にもなにかないのぉ!?」
「ないない」
「くぅ、やっぱり泣きながらボコらないと駄目なのぉ!?」
まったく、リィナァのせいでイヤな風習が生まれたものだ。
こら、その、痛そうな武器をおろしなさい。
はうぅー。
やっぱり村では手に入らない書物はおいしいよぉ。
この世界にきて思うんだけど、私たちって娯楽が少ないんだよねぇ。
なんというか、禁欲的っていうのかな?
すごく不自然。
だから色々とみんなと話すんだけど、いまいち通じない。
というか、可哀想な子呼ばわりはどうかと思うんだけどなぁ!
まぁ、それはおいておいて。
ビダーシャルが持ってきてくれる本の中身が結構変わってきているのがうれしい。
この、ベルンちゃんって人が作家でよく見るようになってから、話の中身が私好みになってきていると思う。
というか「向こう」っぽいのだ。
すでに老評議会には報告しているんだけど、私はこの体になる前の記憶がある。
それも「シャイターンの門」の向こうの知識だと思われるということで、結構問題になった。
なったんだけど、それほど危険な知識がなかったことから、わりとスルーされてしまっている。
いいのかな、とは思ったけど、両親曰く結構危ない薬で深層心理まで探られていたらしい。
その上で問題なしということになったらしいので気にしないことにしたけど。
さてさて今回の「物語」は~・・・・
あれ、なんだろう、この「物語」。
なんで、「あのこと」が書いてあるんだろう?
なんで、「あそこのこと」が書いてあるんだろう?
なんで、「彼のこと」が書いてあるんだろう?
なんで、なんで、なんでなんで?
また、リィナァが暴れた。
今度はさすがに収監されたが、その中身がまずかった。
彼女は「蛮族」の世界にいかなければならない、と思いこんでいたから。
さすがに問題だ。
本人の錯乱した発言では伺いしれなかったので「薬」を使ったところ、真実がしれた。
彼女が持っている「向こう」の記憶そのままの内容が書かれている、というのだ。
「物語」に。
老評議会は基本的にそのような些事には関わらない。
しかし、門の向こうの記憶の話となると、そうは言っていられない。
リィナァの記憶は、それほどまでに恐れられているのだから。
「では、リィナァ・・「レナ」・・・レナ。君は蛮族の元にその記憶の正確さを確かめにいくんだね?」
「・・・はい。その必要があるものと判断します」
「それは何故だね?」
「我ら一族が恐れしシャイターンが必ずしも門を目指すわけではないと考えるからです」
「しかし、何度も我々は脅かされているぞ?」
「この6000年の間で、「何度か」しか脅かされていません。つまり、交渉の余地があるものと判断します」
その言葉に、議員はうなり、反論をしようとして押し黙った。
「彼らの「魔法」は精霊を使役する、乱暴なものだ。我らとは合わぬのではないかな?」
その言葉にレナは静かに笑った。
「男と女は違います。価値観も、考え方も。しかし共に歩くことができます」
レナの言葉は極論だが、それでも真理の一端だった。
「私は確かめねばなりません。あの知識の先になにがあったのか、この知識を持つものがなにを考えているのか。」
「・・・・で、本音は?」
「・・・フレデリカちゃん、おーもーちーかーえーりーーーーーー!!」
尋問室が瓦解した。
とまれ、リィナァは蛮賊たちの調査にでることとなった。
お目付け役は私、ビダーシャルとなった。
「わたしもいきたいーーーーー!!」
黙れ姪っ子。
えー、これ出しちゃまずいかナーとは思ったんですが、前ふりもしてますんでw
この勢いでオープンキャンパスに突入します!!
※今回の元ネタ
更新なし
5/7 少しだけ修正しましたのですわ
(2,290文字)